Ⅰ 都議選の結果概要
6月23日に行われた都議選は、投票率40%台で史上2番目の低さ。
結果は以下のとおり。
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自民党 59候補者全員当選
公明党 23候補者全員当選
共産党 17前回議席を倍増第三党に。
民主党 15議席半減
みんなの党 7
生活者ネット 3
維新の会 2
無所属元民主 1
生活・社民・みどり0
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Ⅱ 緑茶会推薦候補の当落
緑茶会(脱原発政治連盟)は21人の候補を推薦した。
日本共産党は推薦を前々日に辞退したが、緑茶会は推薦を継続した。
21人の党派別内訳
無所属1 民主4 共産6 みんなの党1 ネット5 みどりの風1
社民 1 緑の党1 生活の党1
この内当選者は10人、落選者は11人内次点2
である。
無所属で、昭島市定数(1)に立候補した星ひろ子さんは、民主支持、
社民推薦、生活者ネット推薦のいわば脱原発共闘候補だった。
惜しくも次点だが、得票に注目したい。
当選者は自民党 16633票 47.2%
星ひろ子さんは 12183票 34.5%
最下位の共産党 3986票 11.3%
落選は落選だが、民主や社民の低調を考えると、かなりの善戦だった。
このことは、参院選で選挙区の候補を日本共産党も含めて野党勢力内
でより考察を深めていく必要がある。
もうひとりの次点は新宿区(定数4)で民主党の猪爪まさみさんである。
当選最下位 秋田 一郎自民 元 47歳 17,474 票 得票率 16.8%
次点 猪爪まさみ民主 現 57歳 11,760 票 得票率 11.3%
次の候補 徳広 正人みんな 新 51歳 8,536 票 得票率 8.2%
なお、当選者の10人は、共産6人全員 生活者ネット3人
みんなの党1人である。
落選者は11人で、民主4人全員 ネット2人 みどりの風1人
緑の党1人 社民1人 生活の党1人 無所属1人
以上を考察すると、緑茶会は推薦して投票者の参考資料を提示したが、
当落は共産党と民主党の東京都全体の趨勢とほぼ似ていて、当選に有益
な役割を果たしたと断定できるまでには至っていない。この点は、緑茶会
の今後の参院選をにらんで早急に新たな問題提起が要請されている。
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Ⅲ 都議選の反省と参院選への見通し
自民公明をあわせると82議席。みんなの党、維新の会、民主党を
合計すると106議席。脱原発護憲を共産党、生活者ネットとすると
20議席。
民主党は都議会では新自由主義派が多いので、与党側にいれた。
106議席対20議席。 この結果から、自共対決と言っても、内実
は日本共産党とネットとで20議席である。
このことを参院選と結びつけて考えると、安閑と安心はしていられ
ない。革新無党派の政党や団体が伸びないと、国民的な護憲反原発は
躍進できない。
今回私が注目していたのは、みどりの風。議席は多くないが、社民
や生活の党、生活者ネットとも連携を模索していた。
民主党は、より明確なスタンスで再生しないと解体の危険がある。
都議会民主党は、新自由主義勢力と前から言われている。都政では、
みんなの党と維新の会、場合によっては都議会民主党もこの二党と
連携を模索するように考えられる。
維新の会の共同代表である橋下徹氏は、選挙前に都議選の結果を見
て責任をとるといっていたが、投票翌日には、維新の会の内部で橋下
氏辞職よりも続行の声がある。
公明党は護憲勢力ではなく、自民党安倍政権で軍国主義をいちじく
の葉で隠すための役割しかはたしていない。公明党がまあまあと言っ
て世間の目をごまかし、安倍自公政権として突進していることがよく
わかった。公明党では、都民向けに「公明党が自民党を制御します。
公明党は平和の党です。」と盛んにアピールしているが、一応自民の
極右政策に反対と意思表示しつつ、一度も自民党とたもとをわかって
はいない。
共産党が倍増したのは拍手をおくりたい。しかし、社民党・みどり
の風、緑の党、生活の党などの脱原発グループは残念な結果だ。緑茶
会(脱原発政治連盟)は、脱原発とその徹底がおよぼす護憲の候補を
推薦している。残念ながら、都議選では、それが有効的な結果をうん
だとは言い難い。
政党としては、それぞれ党による支持者拡大が求められる。さらに
野党における共闘は重大な段階にむかった。
佐藤三郎氏を中心にした護憲神戸集会がさらに発展させた護憲円卓
会議や太田光征氏を代表とする「平和への結集をめざす市民の風」等
それぞれの立場で、野党を結集する共闘について模索されている。
竹村英輔氏を事務局長として脱原発と護憲をもとに取り組んできた
緑茶会(脱原発政治連盟)も都知事選で宇都宮健児氏を擁立した市民
運動や政治団体の運動を基盤としている。
自公圧勝で護憲勢力は三分の一どころではない。けれども、原発と
世界とアジアの平和は、それを希求する多くの民衆の眼に見守られて
いる。
わずか国民の25%程度の得票による82議席を占めた都議選挙の
結果は、都議選で敗北した民衆派全体が、ピラミッドではなく、円卓
についてともに助け合い毅然と戦い抜く必要を訴えている。