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一般投稿欄

川崎型統一戦線への模索・前半

2013/10/27 櫻井智志

 川崎市長選挙に数ヶ月前から取り組んできた。私は実践的というよりは、最初の総決起集会と時々の街頭演説や渡辺治氏講演会に出たくらいで、あとはインターネットでミクシイ、フェィスブック、一般掲示板で『君島ちか子川崎市長勝手連神奈川』を運営して、インターネット選挙の側からの支援に取り組んだ。
 公職選挙法で、制限はあるが、この「さざ波通信」に投稿が載る場合には既に投票は済んだ後で、当選落選が決まったくらいなので、以下の文章が公開されても問題はあるまい。タイトルの「川崎型統一戦線への模索」については、組織論や理論めいたことは書かない。今回は素材として、君島ちか子さんの演説とツイッターとを掲載して、「統一戦線型政治家」の心情と発想とを感じていただけたらと思う。選挙結果がわかってもし必要が生まれたら、後半で少し理論的整理をしてみたいと考えている。その励みとなるよう、前半としたが、後半がない場合もあり得ることをあらかじめおことわりしておきたい。

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資料1  選挙運動終了後の10月26日深夜のツイッター

君嶋ちか子?@chikako16519分
多くの出会いがありました。名前も知らないたくさんの人々が私の手を握りながら訴えてきたこと、その言葉忘れません。言葉にならない方もたくさんいました。私も黙って握り返しました。
はじめて会った人間(私、君嶋ちか子のこと)の手を握りながら、涙を流す程の思いが詰まっていたということでしょう。日本政府が、阿部市政が、ここまでたくさんの方々の生活を追いつめてきたんだと、私はその度に怒りを覚えました。
そんな方々に接するたびに私は、川崎市を阿部市政の後継者に渡す訳にはいかない!と改めて思ったことでした。12年間の行革を更に繰り広げられたら、もう、まともな暮らしは成り立たないと。

資料2  街頭演説 10月22日の演説を一緒に選挙運動を実践したスタッフが演説をおこして文章化した文章

お集まりのみなさん、溝の口駅頭のみなさん、こんばんは(こんばんわ~の声)
市長候補の君嶋ちか子です。
私は立候補以来、川崎の北から南まで元気いっぱい駆け巡っております。 みなさんのご支援、本当にありがとうございます。(拍手)
駅頭のみなさん、 私は川崎に38年住み、3人の子育てをしながら公共職業安定所、ハローワークに勤めて働いてきました。この近くの川崎北職業安定所。そちらにも長く勤務をしておりました。 私はこの3人の子育て、そして、ハローワークでの仕事の経験を通じて、特に子育てと雇用について、熱い思いがあります。 そして、安心して子育てができる街。安心して働き続けられる街。そんな街を川崎市で実現したい。そういったことを考えていまがんばっています。(拍手)

みなさん、いま川崎市に問われていること、この市長選挙で試されていることはなんでしょうか。私は、今までの阿部市制の継承を許すのか、それともその変換をはかるのか、これにあると思っています。(拍手)
阿部市政は、12年間に行財政改革と称して市民の暮らし・子育て・高齢者・障がい者、そういった方々に関わるそれまでの支援策をことごとく削ってきました。市民の生活を削る一方で臨海部の大規模事業、みなさんご存知の国際コンテナターミナル、1メートル1億円以上かかるそういった道路に莫大なお金を投じてきた。市民に還元されないお金を莫大に使ってきた。こういった市政にきっぱりと決別し「川崎のお金は市民のために使う」そういった市政をこの川崎に実現していきたい。 そのように強く思っています(拍手)

この川崎市がお金の使い方を変える。自治体の仕事である住民福祉の増進のために使えば、川崎の私たちの生活は大きく変わります。その具体的な政策に私は一貫してまず、子育て政策を掲げています。
子育て支援については、認可保育園の増設。これが必要です。政令市の中で一番待機率が高いこの認可保育園の増設を、私は4年間で5000人分実施したい。そのように思います(拍手)。
子育て支援の2番目、阿部市制に壊された学童保育事業の復活。これも望まれています。
子育て支援の3つめ、川崎市の幼稚園への補助です。川崎市が十分な補助をしていないため、政令市の中で一番父母の負担が重い市になっています(そうだの声)。 私は入園料への10万円の補助の新設、そして保育料補助j1万円の増額。これを実施して、子育て世代への支援をしたいと思います。
そして、4つめに子ども医療費の無料化です。川崎市では小学校1年生までしか行われていない子どもの医療費無料化。これを東京都同じように中学3年生まで、所得制限なしで実現したいと思います(拍手)

そしてみなさん、なにより中学校給食の実現です。本当に市民要求の強い中学校給食。私はこれを自校方式で行いたいと思います。栄養士さんが配置されていて、子どもの顔を見ながら献立を作る、そして、温かく調理して地元の食材、安全性の確認された食材を使いながら、食育と結びつけてやっていける、それが自校方式です。私は自校方式での中学校給食これの実現をお約束いたします。(拍手)

そして、福祉の充実です。これにつきましては、なにより特別養護老人ホームの増設が必要です。5328人の方そしてその家族の方々、本当に困ってらっしゃいます。「もう介護は限界」そういった悲鳴が聞こえています。特別養護老人ホームの増設、私はこれを8年間、2期目も選んでいただくことを想定して(爆笑)、8年間で7200人分の増設、これを実現いたします(拍手)
福祉の充実に関わって、年々改悪されている介護保険制度、これについて「介護保険制度の改悪を許すな」の声を国に届けるとともに、川崎市としてできる減免制度、補助。こうしたことを川崎市としてしっかりやっていきたいと思います。
高齢の方への様々な奪われたサービス、無料バス券とか医療費の無料化、ま た障がいのある方への入院医療費補助、それから入院時の食事補助こういったことも必ず戻していきます。 そして、高齢の方も障がいのある方も安心して住み続けられるまち、こういった川崎を目指したいと思います。

そしてみなさん、私が第3に掲げています、地元企業への支援です。川崎市はわずか0,07%、4億円しか中小企業への予算を組んでいませんでした。私はこれを、せめて100億円にして、地元でがんばって営業している事業、そして商店街をしっかり支えたいと思います。
こういった政策を訴えるとき、市民の皆さんが心配されるのは「財政は大丈夫?」という問題だと思います。私はこれらの施策の財源として、本当に心配がない。川崎市は豊かな財源を持っているということを申し上げたいと思います。川崎市の一般会計約6000億円です。このわずか15%を使えば、私が様々掲げた子ども支援、福祉の充実、そして中学校給食・医療費無料化こういったことが簡単にできます。 今までお金の使い方が間違っていたばかりに市民の暮らしにしわ寄せがあり、そして、市民の暮らしは本当に辛いものになっていました。この「お金の使い方を変える」このことによって私たち市民の暮らしは大きく変わります。

そしてみなさん、これも訴えたい。働き方の問題です。 私はハローワークに勤めていて、「仕事を失った方の苦しさ、そして、仕事についていてもどうしてこの日本はいまこんなに辛い思いをしなければいけないのか」そういったことを日々感じながら仕事をしてまいりました。学校を卒業してもなかなか仕事が決まらないそういった中で、就活をしている大学生がその21%が自殺を考えたことがある。こんな恐るべきデータがある国なのです。この国は。そして、20代の過労死これはこの6年間で6,4倍にも増えています。本当にこんな異常な国があるでしょうかみなさん。私は「さらに解雇の自由化をしよう」「派遣の労働化をしよう」そして「残業代をゼロにしよう」そういった安倍首相の暴走に断固抗議すると共に、人間らしく働けるルールの確立、その指 導、そして、大企業に対しては「人間は安上がりのコストのためにあるのではない、労働者はそれぞれの生活がある、そのために生きている」そういったことも企業に対して川崎市としてしっかりモノを申していきたいそのように思っています(大きな拍手)。

そして、日本全体として働くルールの確立、指導の徹底そういったことを求めていくと共に、川崎市としては様々な福祉・教育・子育て、そういった事業の中で新しい雇用を生み出し、川崎市が日本の先頭に立って安定した雇用の場を作り出していくそういったことを私君嶋ちか子は、実現して参りたいと思います。(大きな拍手)

そして、これが本当に最後になりますが、私はこの自治体の選挙ではありますが、川崎市として国政に対してきちんとした意思表明をしていくそういった点では、消費税増税に反対する、原発をゼロにしたい。そして憲法を行かした市政を実現したい。こういったことを市民のみなさんとともに、この市長選挙の中で国に対しても発信して参りたいそのように考えております。
みなさん残る5日間川崎市で初の女性市長の実現に向けて、そして、市民のための川崎市制に向けて、私も全力でがんばります。みなさんのひとまわりふた周り大きいご支持お力添え、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(鳴り止まない拍手と「ちか子」コール)
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当選か落選かを別として、君島さんの演説が象徴する川崎市民の世論と選挙で訴えた理論的視点と政治的解決策は、今後の川崎の課題であるばかりではなく、全国の地方自治体の参考になる面もあるだろうし、なによりも国政革新への草の根からの力強い基盤として、原動力として、今後意義を帯びている。