田村さん、2013年11月27日付けのさざ波通信一般投稿欄【政治的な雑
感 -4】において、私にこの問題に関わ
る機会を与えてくださり、ありがとうございます。
私は菅直人をある時期まで、比較的支持する気持ちが強かったです。それは、
民主党政権下当時の菅直人と小沢一郎の
民主党代表選です。また、私は小沢一郎をずっと否定的にとらえていましたが、
ある時から私自身が変わりました。
それは民主党政権誕生をどう見るかに関わります。私は鳩山政権の時期だけ
が、民主党の政権交代に意義があった、民
主党とは政権交代して鳩山政権下だけの任期しか意義がなかった、と思っていま
す。このことを考えるきっかけとなった
のは、孫崎享氏と色平哲郎氏の文章を読んだことが大きかったです。
鳩山政権誕生から失墜までの時期は、民主党がヨーロッパの社会民主主義を
しっかりと検討して、宮本太郎氏、湯浅誠
氏なども尽力した時期でした。民主党のそのような実績を築いたのは、鳩山由起
夫氏と小沢一郎氏でした。
自民党幹事長から自由党代表に至る小沢一郎観は、「金権政治家」「稀代の権
力政治家」というものでした。週刊金曜
日創刊三号の投書欄に、小沢一郎を徹底批判した投書を今も手元にもっていま
す。
しかし、小沢氏は、憲法改正論であり、権力政治家ですが、安部晋三、石原慎
太郎などの極右反動政治家ではありませ
ん。いまの自公政権の進める憲法改悪に合理多岐な批判的立場に立っています。
安倍・石原・石破・橋下諸氏の荒唐無稽
な軍事オタクの好戦政治家ではない。当面する憲法改憲策動に、小沢一郎は批判
的です。
菅直人はどうか。厚生大臣でO157問題でキャベツを食べるパフォーマンス
はわらってしまいましたが、ハンセン氏
病療養所開放や水俣病対策では菅という政治家に期待をもたせるものがありまし
た。けれど、自らが政権与党の最高権力
者について、真っ先に菅直人がおこなったことは、小沢一郎の徹底的追放です。
この菅に始まり野田と連なる首相ライン
はすべてをぶっ壊しました。野田は修飾語句ではなく、本当の自民党野田派、自
民党スパイ野田グループと言って過言で
はないほど、民主党政権交代で鳩山・小沢らが築いたものをすべて破壊しさりま
した。さらに、自民党政権の足跡のため
に先んじて政界のロードを掃き清めていました。野田の政治的犯罪は、現在の自
公政権を用意したばかりか、いまだにと
んでもない自公民路線が出てきます。消費税、選挙制度。ジャーナリストが好意
的だった公明党も、その一員だった鳥越
俊太郎が「いまの公明党は安倍総理に取り込まれた」と酷評するほどひどい状態
です。自民党の暴走を止める働きがある
から、ぜひ公明党に、平和と福祉の公明党に、と宣伝していましたね。国政選挙
前に。いまや特定秘密法の衆院通過、参
院もこうして書いている12月2日の四日後の6日には参院国会通過を実現する
最大の立役者になりつつあります。
小沢一郎は、民主党時代に謀略勢力によって、何度も検察に告発され、本物の
検察が起訴を見送ったあとにも、わけの
わからない市民グループの告発で政治の要所要所で大々的にマスコミでスクープ
扱いされ、政治力を減殺させられ続けま
した。政権を交代した民主党が、対米従属から日米対等の平和友好条約をむす
び、アジア外交を重視する外交路線を小沢
・鳩山が提起したことが、アメリカの軍産複合体とその政治勢力の逆鱗にふれ、
それから小沢パージが徹底して開始され
ました。小沢は民主党内で党員権剥奪などのむごい目に遭いました。それでも気
落ちして政界離脱することもなく、意気
軒昂で反安倍軍国主義路線に闘い続けています。さすがに国政での「日本未来
党」「生活の党」は、かつての小沢政治力
の翳りが見られます。それでも、小沢は、2016年の参院選挙は衆参両院選挙にな
ると見通し、そこに照準をあわせて、反
反動政治、反軍国主義政治の結集をよびかけています。
菅直人は、民主党総裁、総理大臣としては無能でむしろ小沢を追い落としてし
まいました。ただ、すべてがだめとはい
えないでしょう。原発事故の当時、東電はあまり書きたくないような無責任なこ
とばかりしていました。菅は被害は東日
本全体、関東全域、東京が壊滅する危険を勘で気付き、できる範囲内で当時の無
能な民主党幹部のなかでは、主観的に取
り組みました。私はあのとき総理が野田なら、・・・・・・と思います。最悪で
す。鳩山だったら・・・仮定の話はやめ
ましょう。勘はその後衆院選の武蔵野市選挙区、参院選での民主党から無所属に
されたまともな女性候補の応援をおこな
い、いまは民主党から飛び出た男性候補と二人とも共倒れになり、執行部の逆鱗
に触れて、かつての総裁である 菅が党員
権期限付停止処分を受けました。菅直人の主権は、市川房枝さんの選挙運動の頃
から善意のひとではあるかも知れません
。ただ、市川房枝さんは生前に菅直人の権力主義体質を見抜いていたと市川さん
周囲のひとは菅総理時期に述べていたこ
とを知りました。
以上で、田村さんのご質問のお応えに十分になり得たとは言えないようにも思
いますが、また何かありましたら、ご教
示いただければ幸いです。ありがとうございました。なお、重大な指摘の出典や
根拠を明示すべき問題ですが、私は今ま
での記憶や今の思考で書いていますので、明示するゆとりのないままに書いたこ
とをご了解ください。