「政治的な雑感 -5(追記)」で照会した【小沢×堀対談】を、聞きながら文章
に簡単にまとめてみました。議論をしやすくするためにですが、重要な”問い”を
含んでいると思うからです。
「日本人に、”無血の”民主主義革命(政権交代)は再度起こせるか?」
「小沢”理念”に代わり得る具体的な国家像は、誰が持ち得るか?」
正直、僕はこの国への失望派です。小沢氏は政治家として希望を語ってくれます が、キューバ(先の党大会では、民営化推進・官僚制打破を決議、断固”キュー バ型社会主義”を推進中とマルコス大使が発言)等全ての革命の歴史がそうで あったように、2、30代の青年が(リーダーが)決起し呼応する多くの国民の 怒りが支えるイメージを考えると、この数年で「裏切られた09政権交代」を取 り戻すことで・さ・え・不可能と思っていますから、、、
皆さん! 批判、異論であれ、是非ご意見下さい。
原仙作さん、久しぶりにご意見聞かせて頂ければ幸い、お願いします。
★【小沢一郎 vs 堀茂樹 ちょっと硬派な対談Vol.3 ~なぜ議会制民主主義
か?②】
http://www.youtube.com/watch?v=Zvjo-eZHt6o&feature=youtu.be
参考◆世界24カ国を比較した貧困率の統計グラフ
https://twitter.com/ohnojunichi/status/410722585752530944/photo/1
【小沢×堀対談のあらまし】 ※田村:責でのまとめ。
●秘密保護法・・・全ての情報は国民に公開(共有)されるべきが国民主権。政 治家である担当大臣等の判断さえも受けず、官僚の担当者の裁量で刑事罰を伴っ た【マル秘】指定の危険性。(今でさえ)検察等が証拠も無しに特定の人を強制 捜査でき、国民誰でも対象になる、これは「天に唾する」話だ。今でも役人は自 分に都合悪い情報は絶対に政治家に知らせないし政治家を信用してないからだ。 これは官僚機構が支配権を強くしていく社会になる。(日本の「原子力マフィ ア」に対し、アメリカの場合は「安全保障マフィア」の支配)
●現国会の状況・・・自民ら与党の”格好だけ付けた”前代未聞の国会延長 策、、、、『民主』の内閣不信任案の起立採決だけで否決のこと。第3極?の 『維新の会』や『みんな』は自民党と同じだ、と言うことが解ったこと。国会・ 与野党の今日の現状に、ビックリ唖然。
●民主主義の危機・・・4年前の「政権交代」は意味あった”自分の意思で政権は
変えられるという認識を国民は持ったこと”だ。ただ”期待が大きかっただけに失
望も大きかった”反動だが、僕は悲観的ではない。国民は自公の政治を”良し”と
してる訳ではないからだ。
(※コメント=小沢の楽観主義と冷静な分析は、この国の希望だが、俺にはやる
せない。堀さんと同じ気持ち。)
【堀教授】フランスと日本との政治文化の違い・・・体制への異議申し立て、政
治や社会問題が話題になることが無い、避けての日本的政治文化の”未成熟さ”。
●日本人は本気で(政治を)やる気があるのか?!民主主義とは何ぞや?何故に
「議会制民主主義」を採るべきなのか?・・・従来の(比較的平和で豊かな社
会)日本=”全会一致”のコンセンサス社会は自己主張しない方がいい、”まあま
あ”でやっていける(日本的民主主義)ならいいが、今や世界がグローバルな時
代になって、”雰囲気に流される”自己主張無き、自立心(責任伴う)足りない日
本人では治まらない、自己主張持って世界の人達と接していかねばならない。
(※コメント⇒「民主主義は、自己責任伴う”自立”した個人で成立つが前提」は小
沢イズムの真髄。)
そして民主主義たる”衆愚”政治は欠点はあるけど、”独裁”よりも大きく間違うこ
とは無い。
【堀教授】民主主義は”コンセンサスが無い”のが前提で、対立・衝突は当り前だ
からフェアな議論で合意形成をしていくこと、そうでないと戦争の時も平和な時
もモロイ。
(※コメント⇒小沢氏の映画評論では、デヴィッド・リーン監督『戦場に架ける
橋』での英軍捕虜の話、ルキーノ・ヴィスコンティ監督『山猫』での激動期イタ
リア没落貴族の話、良く出てきます。>
●日本人の「自立」・・・(変化してきてる日本人の)何が欠如してるかと言う と、男でも女でも、どういう形でもって決断(判断)しようが構わないが、問題 は”決断した結果の責任は自分が持つ”ということ。上手く行かなかったから他人 や社会のセイにするではいけないんで、その尻拭いを自分でしなければならな い、そこさえ自覚できれば日本人は大丈夫、(なんだが)マスコミ調査では”基 本的政策に(多数の日本人は)反対だが、安倍内閣を支持”が多いでしょ、スジ が通らない…。(お任せ民主主義!)
●直接民主主義か代表民主主義か(参加型民主主義)・・・(日本では)直接民 主主義は事実上不可能だから「大統領制(共和制)か議会制民主主義か」となる が、天皇制を廃止して大統領共和制にすると日本の場合混乱と抵抗が起こり、そ れをやってまでプラスが大きいか?となり、その障害を考えると必要ないだろ う。よって代議制の議会制民主主義に期待するしかない。
●政治参加・・・今回、安倍の突然の「特定秘密保護法案」での日本人の怒りの
国会行動、ほぼ無い(に等しい)数千人(注。主催者発表で最大で1万5千人と
か)程度、他の国では市民の大変な大デモになる。もっと大衆が行動すべき。日
本人は(デモ等)やりたがらないから、それなら”大きな問題では国民投票にか
ける”のも、ひとつの手だ。
(※コメント⇒【例】仏・パリのデモ◆12月1日パリ、10万人増税反対デモ⇒社
会と徴税の不正義に対し~税制の革命を!【Marche pour une Revolution
Fiscale】
http://www.dailymotion.com/video/x17weoh_marche-pour-une-revolution-fiscale_news
… ※TVA(日本の消費税)値上げに反対!資本家に課税せよ!)
注。ちなみに、パリ市人口=220万人強。(デモ参加数:0.045%)
東京都(23区)人口=約906万人(デモ参加
数:0.0016%)
例えば、地方自治法では「組長不信任」の「イエス・ノー」住民投票があるよう に、国政に採り入れると直接民主主義のひとつの良いところが入る(首相を国民 投票でリコール=不信任する制度)、、、ただ憲法を変えなくてはならない。
●参加型民主主義と日本人・・・出来る。欧米では国民のかなりの人が政党に所
属し、党員が全部参加した中で候補者を選んでゆく(米大統領にしろ)。故に議
会制民主主義でも(政党政治への)参加はできる。
日本では、政党に所属は”特殊な人間”視。自由な意見を言うことと対立する意見
を排除することとは全く違う!
(※コメント=仏でのTV政治討論や左派間での議論見てて、二人の考えに同感。
フランスの全国統一デモ・各種ストを見れば一目瞭然、対立党派も一緒に反対行
動し、ユマニテ祭(日本の赤旗まつりに相当)でさえ極左反スタ系も参加してる
ほど。)
日本では議論すると感情的になってしまう、そんなでは民主主義は成立たない。
(日米交渉での体験のように)仕分け、割り切りが日本人にできない。
●「政府(民間)委員」の政策決定とそのからくり・・・日本的仕組みのひと つ、(実際は)役員の隠れ蓑に使われている、非常に良くない。自分の責任を逃 れるために)官僚に全部動かされている、立法府も行政府も司法でさえも握られ てる。
●小選挙区制(中・大選挙区制と比べて)批判への反論・・・日本の現状の中で
は(大間違い!)、中・大選挙区にしたら権力握った政党がズーッと政権執る。
(※コメント=半世紀、過っての自民党長期政権時代、社会党は野党に甘んじ
自・社馴れ合い政治=「55年体制」問題ではなかったか?)
経済成長も終わって色んな国民の問題が吹き出てきて、小選挙区だったから変
わったのだ。一人(独裁で安泰)だったら、自分(権力者)達のことだけで(国
民目線のいい政治は)何もやらない。”おかしなことやったら相手(反対者)側
に取って代られる”という緊張感が、いい政治を生む。政権交代のない社会は、
民主主義とは相容れない掛け離れた独裁か低開発国家だけだ。
●大政翼賛会的大与党を倒す「政権党」とは?・・・少なくたっていい、”キチッ
とした人が居さえすれば”!、そこが小選挙区制のいいところ。要は(政党の)
規模は小さくてもいいから”しっかりした受け皿を作ることが一番大事だ。だか
ら、キチッとした理念と政策主張、小さくてもピリッとした受け皿の集団があれ
ばいい。(「国家像」の提示、世界へのビジョン等も)自民党政権とのハッキリ
した対立軸が出てくる。
日本国民はせっかちだから、一回失敗したからって「失敗は成功の基」なんだか
ら、自民党はダメだったら、”また変えてみりゃいい”。また”ダメなら、また変
えてみりゃいい”!
●政権交代の条件或いは原則・・・(憲法の基本原則があっての政権交代)それ
は常識的な条件で、言葉変えれば民主主義。(憲法改正、国防軍とか人権条項の
削除とか)安倍さんのは民主主義を否定する話で、そこ(民主主義)の価値は共
有しないといけない。
【堀教授】多党制政治、相手があるという真剣な(闘いの)ゲームが民主主義。そ
ういう感覚が必要だ。
日本人は情緒的、そういう理屈の割切りが苦手。
自民党的(日本人の特質と伝統と、日本的コンセス社会の哲学を背景に持った)
政党があっていいし必要だ。だがグローバルな社会になると・・・ある時にはよ
り日本的な要素を持った政権ができ、ある時にはもっとオープンな政権ができ
る、という交代。(真っ当な保守と真っ当な進歩主義と)
「新自由主義」と呼ばれる思想は、非常に危険、これをあれ(野放しに)したら
政治は要らない。強い者がどんどん勝てばいいと言う(政治は要らないという政
治)強者の論理で、相容れない。
<以上>