宇都宮陣営の中には細川氏の過去の問題を分析して、候補の一本化を否定する。私も一本化する段階とは思えない。しかし、細川氏の脱原発一点についての共闘を提案したい。以下に説明する。
これは「現状分析と対抗戦略欄」にも投稿したので重複は省く。孫崎享氏の提案を下敷きにしている。
宇都宮陣営の中核でもある日本共産党の幹部の言説には、細川氏と宇都宮氏の一本化はあり得ない(ここは正論と思う)ことを強調するあまり、細川氏の反原発政策についても通過しそうな空気がある。細川氏の総理時の否定的側面を例示していまの状況を通過してしまう。
ミクシイの私の友人たちは、多くの東京都民の中には、比較的現実派のなかに、細川氏の言動が新鮮に見えていることを伝えてくれるひとたちがいる。私は細川氏が今まで反原発運動に一切加わってこなかったことや細川連立政権で佐川急便との汚職疑惑で在任八ヶ月で総理の座を投げ出すなど、政治家としての要点を踏み外していることから、否定的に出馬を考えていた。
しかし、脱原発は福島県民などの被害を受けた庶民にとって、最大の悲願である。黒い猫も灰色の猫でも、ネズミを捕まえてくれるなら、猫であることに変わりはない。宇都宮健児氏が細川氏と共同して候補として一本化することなど、空想的観照に過ぎない。
私の考えは、「反原発」一点に絞って、「反原発協定」を 締結することである。選挙運動でも、原発再稼働を禁止し、原発を廃炉させること。さらに前述の金融機関への融資問題に踏みこんで、東電株主総会で柏崎刈羽原発廃炉を提案するという視点はどうだろうか。
宇都宮氏は、細川氏に上記の提案をしたらどうか。もしも細川氏がそれを快諾したら、「反原発協定」はぜひ締結すべきだ。しかし、細川氏が現実的提起の具体案を否定するようなら、細川氏の脱原発政策は、モード的イメージ的ファッション的なつまり選挙戦術に過ぎない。その時は、宇都宮氏は自らと支援者が応援するマイペースで邁進すればよい。もしも、細川氏が現実の実践として、宇都宮氏からの提案を受け入れるなら、「反原発協定」として、互いの原発政策を応援し合い、相手の原発 政策だけは批判しないことだ。それ以外の政策については、批判しあっても、共通の政敵として、桝添氏や田母神氏の自公路線・軍国主義路線と闘い、首都東京から平和と反原発を発信すればよい。そして選挙後に反原発政策については実現に向けて支援する。この反原発一点選挙協定は、現在細川氏に幻想を抱いている人々に、現実を直視させる効果がある。これらの方針は、無気力な棄権を考えている無党派層に一定の投票効果をもたらすだろう。
宇都宮陣営は堂々と闘えばよい。細川氏の返答しだいで、選挙闘争の共闘者が増えるか変わらぬか、ただそれだけだ。
念を押す。
無党派層の細川待望論に考慮して、「反原発」政策のみを一点共闘することで、「東京都の空気を取り込 む」ということだ。宇都宮氏と細川氏が反原発で話し合い、原発政策で対話する、そのこと自体が大きな影響力をもつのだ。宇都宮陣営の原発政策を細川氏に伝えて、それを細川氏が否定しても、都民には、原発を2人の反原発政策の候補者が共同して検討している姿がそこに見える。そういうことの重大さを把握しないと、過去の都知事選で、理論人格ともすぐれた共産党候補者が立候補しても、法定次点にすら届かず、泡沫候補並みの得票ということが何回かあった。ベースの理論や政策は否定しない。運動の進め方で、ゆるキャラ路線を取り入れている共産党が宇都宮陣営で、都民の「ふんいき」とか「漠然たる期待」をしっかりと把握して、宇都宮さんの都知事選運動に「しなやかに」取り入れるように働き かけてほしい。なんといっても、頼みの綱は市民運動団体と日本共産党だ。おっと、社民党もひさしぶりの社共共闘(前回も)。生活の党は小沢一郎氏を介して細川陣営を支持すると私は考えている。その点でも、宇都宮陣営と細川陣営の一点反原発政策協定審議を提案する。まずは対話こそが七割近くの意義がある。