共産党の人員構成が50%は65歳以上だ。共産党が自己のアイデンティティを労働者階級に基礎をおく革命政党とするならばこれはおかしなことだ。革命党員つまり活動家というには老人ばかり。労働者階級と呼ぶには定年過ぎで生産現場にいないものばかりだ。社会学的に階級分析するとこの政党は国家が生産者(労働者にしろ資本家にしろ)から収奪した税金を年金はじめ社会保障資金として分配することを要求するだけの寄生的性向が強まらざるをえない。生産の社会化とか民主的統制とかのかつての理念は次第に関心の外に出ざるを得なくなる。
そこで共産党が革命政党であり続ける方策を伝授する。僕はマルクス主義者でもないし共産党支持者でもない。ただ他人事ながらこうすれば生きられるのにと思ったからいう。自分自身の信条(リバータリアニズム)からは共産党は消滅すべき運命だし、支持はしないが勤労者や低所得者の利益を代表する政党が必要なら科学的社会主義を放棄した共産党と創価学会色を払しょくした公明党がイデオロギーを廃した大衆政党として合同すればよい。
これからいうのは共産党に対する揶揄でも批判でもない。思いついたアイデアは利敵になっても言ってみたいという夢想家の性なのだ。共産党が採用しても採用しなくてもそれぞれに喜びと安どがある。
共産党のこれ以上の高齢者化を防ぐには民青を再建強化することだというのは共産党関係者の共通認識だろう。でもそれは間違った思い込みだ。現実には民青を再建維持しようとするのは数少ない青年党員に不必要な負担をかけているだけだろうと思う。しかも今は昔の「学生党員は民青の活躍を経て参加させる」という左右の日和見主義の潜入を防ぐという民青の役割は今では意味がない。だから僕が勧めるのは民青の解散だ。それでは清算主義で何の解決にならないと思うかもしれない。確かにこれだけで共産党が若返るわけではない。次に必要なのは共産党員の65歳定年制だ。つまり原則65歳になれば共産党を離党する。これは党幹部・役職者でも同じだ。ただ地方議員または首長で任期途中の場合は任期が終わるまでは党籍があるが、任期が終われば離党する。地域事情で議員や首長として余人として代えがたい場合には共産党は推薦するが無所属候補となる。65歳以上の共産党員を切り離せば党員は半分になるが若返り、民青もなくなるので党の本来活動も活発化して革命政党らしくなる。年を取れば知力も気力も体力も衰えざるをえないという唯物論的公理を多くの共産党が無視してきたのは奇妙なことである。
では65歳以上の共産主義者はどうするのか。簡単だ、民主老年同盟を作ってそれに吸収する。民主老年同盟の役割は、「赤旗日曜版」という民老機関誌の拡大と、共産党の選挙支援、そして共産党への相談だ。共産党の相談を受けるのではない、労働組合活動や住民活動の経験を地域にこだわらす経験豊かな民老同盟員が共産党員に経験を伝授するのだ。「赤旗日曜版」は民主老年同盟の機関誌として共産党からは切り離される。ただし編集などは民老に雇用された共産党員を含む若い人が主力となり共産党から記事提供も受けるが自主的なものだ。通常の民老の活動は週1回の「日曜版」の配布と読み合わせである班会議だ。会議終了後来なかった同盟員と一般読者には近所の人が見守りをかねて「日曜版」を届ける。なお「赤旗」本紙は共産党機関紙として残るが電子化される。これはインターネットで誰でも無料で見られるが、党内記事はパスワードがいるが秘密ではない。パスワードは党員と賛助費を払った者に渡される。これで共産党員は「赤旗」の拡大と配達という重荷から解放されて本来の活動に集中できる。
まとめると、(1)民青の解散。(2)党員の65歳定年制。(3)民主老年同盟の設立。(4)「赤旗日曜版」の民老移管と「赤旗」本紙の電子化による機関誌配達及び拡大活動の負担の除去。
若返りのために民青の廃止はいわばコペルニクス的転回だけど。一度真剣に検討してみたら。変われないものは滅びるのは世の中の鉄則。