一介の主婦がキャスターに応募し、採用されたはいいものの、その独特なアク
が、奇妙がられてものまねのネタにはされはしたものの、どうにも受け入れられ
ずにウロウロしていたところをナベツネに拾われ、多くのジャーナリストたちが
汗水流して真相究明を進めてきた各種情報をナベツネからポンと渡されて「エイ
ズ問題の権威」を気取った櫻井よしこ。それらをテコとバックに、その後の彼女
は、全てを読売系列の金と力の中で育てられ踊り続ける「反動ピエロ」となっ
た。
しかし、それでも若者への浸透力が弱いと見たナベツネは、エサのためならな
んでもやるような連中に、ナントカ研究所代表だの、「評論家」だのコラムニス
トやらを名乗らせ、自系列テレビ番組を皮切りに売り出したのがおよそ20数年
前。
今では彼らも、朝のワイドショーなどに顔を出す程度に名を知られ、時折、よ
しもと芸人風にオチャラケを言いながら、「中国人なんてアイツラは・・」など
と言い放っている。
そういう連中が跋扈しているのがご本家直下の「そこまで言って委員会」なの
だが、人気キャラクターへの乗っかり番組だったため、今では、反動喧伝番組と
しての本性をムキダシにし始めた。
かように,今日の安倍政権や石原・田母神らの「活躍」の舞台装置を準備して
来たナベツネなのだが、批判の俎上に乗ることは極めて少なかった。
つい最近目に付いたものは巨人軍の清武代表問題程度だ。
しかしこの紛争も、ほぼ全てのマスコミがナベツネに及び腰だったため闇に葬
られた格好だ。統一球問題などまさに噴飯もので、コミッショナーすら無視して
変更するなど誰が出来るかを考えれば「深層」など、いとも容易く予測されるは
ずだが、実質、「コミッショナー更迭」で、日本のマスコミは幕を下ろした。
テレビに影響されやすい若者の一部が、東京都知事選で田母神に投票したこと
が話題になっている今日の状況、ナベツネは高笑いでもしてるのだろうか。
だが一皮剥けば、おのれの欲に振り回されているナベツネ総監督が主役に抜擢
しているのは、たかが「おじいちゃん自慢」をしたい「坊ちゃんアベクン」であ
る。
「日本は美しい」と言いながらドサクサに紛れて「戦前も美しかった」と若者
たちに匂わせ語りたくて仕方のないような振る舞いではあるが、随所にバツの悪
さも垣間見える。
だが、これをフォローしているのが、ほかならぬ各種ニュース番組、新聞など
だから始末が悪い。 リベラルを気取る解説者などの振る舞いを見ていると、我
が身可愛さなのだろうが、歯切れの悪いこと夥しいではないか。唯一の救いは、
せめてもの「ステーションの古館」程度であろう。
先述の「言っても委員会」だが、あのスタジオには大阪のおじさんおばさんた
ちが見に来ているそうな。
そして見ていると、時折、過激な反動発言の登場時には、申し合わせたよう
に、彼らが率先して拍手を贈っているだろうシーンに出くわす。その「共感」と
いう空間には、一体何が漂っているのか、そのことについて、次回、改めて投稿
したい。