日比谷野音で南こうせつが主催したコンサートがあったそうだ。そこにサプライズゲストとして登場してきたのが、なんと総理大臣安倍晋三。「あの素晴らしい愛をもう一度」を安倍がリードするようなかたちで合唱したと聴いた。私は南こうせつが突然きらいになった。きたやまおさむが親友加藤和彦がフォークル解散後に自らがリーダーとなってサディステイック・ミカ・バンドを結成。ヨーロッパ公演で一躍玄人筋の評価を得た。そのミカさんと結婚した加藤は、しだいに夫婦仲に亀裂が入り、きたやまはそのことを励ますつもりで加藤和彦のために詞をを書き、加藤が曲をつけた。
若い世代の意思表示として、反戦と平和、権力と国家に対してきたやまや加藤、そして高石ともや、岡林信康、高 田渡、小室等らのフォークソングは、自らの感性と思考とを歌に託して若者たちの急速な支持拡大が浸透していった。
安部晋三は、それらのフォークソングと全く相反する地点で行政のトップを引き受け、そして全く関西フォークが闘い歌で批判した対象としての権力主義者である。
安倍にしても、自民党・石破幹事長にしても、「第二次世界大戦=戦争を経験していない」世代である。普通、戦争体験がなくとも、戦争の悲惨さと戦争の論理を知って、戦争を阻止しなければ、国民は悲惨な目に遭うことを悟る。軍事オタクでしかない石破に、相次ぐ戦争国家態勢づくりに余念のない安倍に、沖縄戦の悲惨さとヒロシマ・ナガサキの想像を絶する無残な破壊力は想像することができないのではあるまいか。
福島原発事故が起きた時に海外に逃げようと考えた富裕層の資産家や政治家がいた。安倍も石破も自らが戦争の被害者になることはまったく考えられないようだ。正確にはその悲惨な被害者には決してなり得ず、戦場から無難な外国に逃避するか、必ず日本は戦争に勝利するとい う狂信しかもっていないようだ。
日本版NSCをつくり、特定秘密保護法という「秘密破壊」の悪法を強行採決した。安倍は、盗聴法以来の一連の管理統制をあらゆる視点から強め、インターネットのニコニコ動画などの民間サイトさえオタク系のマニアサイトをつくり、支配の欠かせぬ手段としている。東京都知事選田母神候補は、20歳代の広範な得票をかき集め、当選した桝添につぐネットでの支持率二位である。安倍や麻生がインターネットの若者たちに似而非「ヒーロー」として歓迎されている線上にある。しかもそれらの一部は在日朝鮮人を口汚く罵り聴くに堪えない人権蹂躙のヘイトスピーチやデモ行進さえ繰り広げた。
かつての自民党の有力者、野中広務、古賀誠らは現在の安倍自民党に強い懸念を心配している。憲法改憲を解釈改憲でも行おうとして、内閣法制局長官やNHKの会長などをあいついで自分の「お友達」を据えて強行突破しようとしている安倍は国会で、「法制局長官が責任を負うのでなく、責任者は総理たる私だ」と傲然と言い放ち、自民党の総務会はじめ内部から心配し批判する幹部が続出している。
安倍・石破は「戦争を知らない子どもたち」世代に属し、1945年の敗戦よりも遅く生まれた70歳未満の世代である。けれど、安倍も石破も、それだけではない。核戦争の被害を想像できぬ政治家である。異常な戦争体制下の社会の言論弾圧と生活破壊の日常生活をとうてい考えられない政治家である。戦争によって侵略されたくにの民衆の悲惨な苦しみも侵略した兵士の戦争犯罪が引き起こす自らの精神的トラウマと虚無的な荒廃した苦しみを想像できない政治家である。
やがて安倍自公政権が崩壊する日がやってくる。今のような安倍政権では、戦後日本政府を操縦してきた黒幕のアメリカ政府でさえ、傀儡的コントロールは効果がないことを理解する。すでにアメリカ政府は、中国や韓国との軋轢ばかり立て続けに引き起こしている安倍政権を苦々しく思っている。日本国民が安倍政権を倒すよりも、それよりも早く国際世論の応援を受けて、アメリカ政府は同じ自民党でももう少し統治能力のある政治家に乗り換える時がくる。安倍・石破執行部には、挽歌として、この歌で送りたい、「あの素晴らしい自己愛をもう一度」・・・。