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衆院選鹿児島2区に吹き荒れる安倍政権への逆風

2014/4/14 櫻井智志

 日刊ゲンダイ政治面は4月12日に、徳田代議士の辞任に伴う衆院選で、 TPP推進の安倍政権が猛烈な逆風にさらされていると以下のように書いてい る。

======================================  鹿児島2区補選(4月27日投開票)が安倍政権にとって、最悪のタイミング となりつつある。選挙戦終盤の24日にオバマ米大統領が来日、“手土産”を持た せようとしてTPP交渉で妥協する可能性が高いためだ。「鹿児島は自民党がほ ぼ議席を独占する保守王国ですが、農業県でTPP反対のJA(農協)の力が強 い。安倍政権がTPPで妥協すれば、固定票の“農協票”が非自民候補に流れるの は間違いない」(農業関係者)それでなくても、今回の補 選は、政治とカネの 問題で徳田毅衆院議員が辞職したことが発端で、「自民公認の金子万寿夫 (67)には逆風」(地元記者)だ。民主党を離党した無所属の打越明司 (55)は「政治とカネが最大の争点」と訴えている。

《現地入りが裏目になる可能性も》
 で、最後の週末の19日、安倍首相が金子の応援に入ることを決めたのだが、 これぞ、危機感の裏返しだろう。しかも、安倍が奄美でも演説する。
「鹿児島2区は、鹿児島市の一部などの九州側と奄美群島に分けられますが、奄 美では『金子候補には入れない』という声が少なくない。毅の父親で徳洲会創業 者の徳田虎雄・元衆院議員は、自民党の保岡興治・元法務大臣と“保徳戦争”と呼 ばれる壮絶な選挙戦を繰り返してきた。そのため 保岡が鹿児島1区に国替えし たあとも、敵対心が残っていて、『保岡派県議だった金子には入れない』という 拒絶反応があるのです。ここは保徳戦争で選挙に行く習慣が定着していて、投票 率は県内でも非常に高い。安倍首相が足を運ぶのは徳田票の目減りを抑えるため でしょうが、奄美はサトウキビが主要作物ですから、TPPで妥協した首相の応 援が逆効果になる可能性もありますね」(地元記者)
 自民党の原発再稼働容認姿勢もマイナス要因だ。県内の「川内原発」が再稼働 第1号になる可能性が高いことから、県内外の脱原発派が動き出している。参院 選で17万票も得票した三宅洋平らが19、20日に奄美などで「選挙フェス」 を開催する予定で、山本太郎参院議員の「新党ひとりひとり」が擁立、 脱原発 を宣言した有川美子(42)を応援する。安倍への逆風は凄まじい。
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【所感】
 山本太郎氏は、俳優の時よりも、反原発運動に参加して、政治家になりさらに 磨かれている。
鹿児島2区に「新党ひとりひとり」として候補を擁立したことは、台風の目とな るだろう。都知事選や京都府知事選にも宇都宮さんや尾崎さんの応援に入ってい た。
 安倍政権は、ついに原発再稼働、全面的な反動攻勢に転じて、原発廃炉の敵対 勢力として、原発ムラの利権代理人として、とんでもないエネルギー政策に転向 した。自公与党に連なる鹿児島2区の候補を、心胆寒からしめる選挙戦が期待さ れる。新党ひとりひとりと日本共産党とで自公候補をできるところまで追い込ん でほしいと思う。
 安倍内閣が公然と原発再開政策に踏み切ったのは、細川・小泉連合を都知事選 で「粉砕した」ついううぬぼれが背景にある。どのような勢力でも、反安倍政権 の勢力ならば、安倍打倒の応援の声をあげよう。過去のことではない。未来と未 来につながる現在の政局のゆくえがかかっている。