日本共産党が現行憲法の制定時に9条は空文や民族自立を危うくすると批判したことなどは、新聞やテレビを通じて案外知られています。また、赤旗部数が減るなど、財政的に厳しいのに、日本人民共和国憲法にあった政党助成が日本国憲法89条で(共産党は宗教団体か教育機関と解釈できるなら)禁止されているので意地でも受け取らないというのも、最近知り、だったら堂々と89条を改正して政党助成金を受け取ったらいいのにと思いました。
1980年代に日本共産党は自主独立と勧められて、断続的に赤旗を購読したり、応援したりもしてきましたが、2004年頃からの9条の会の護憲運動の理論的根拠に違和感を覚えるようになり、志位さんが従軍慰安婦や強制連行は中国の言うなりに払えと言うようになったのと消費税分値上げを機に赤旗日曜版を止めました。
9条の会事務局長の小森陽一氏の、99条根拠に国民は憲法守らなくて良い解釈は、いわば無政府主義か、国民は怠けていても国家が国民を守ってくれる発想で、権利を制限した自民党案の成立根拠になっていることは間違いありません。前文、9条、12条、義務条項など国民主語は国民が守らないといけないと解釈すると、権利義務のバランスの取れた良い憲法で、急いで修正する箇所もそんなにありません。環境権も公共福祉に入っていると言えるし、97条も緊急事態でも人権重視せよと無理に解釈可能です。99条の判例は、小森氏の説より、公務員の政治活動で国民に政情不安をもたらさない、といった解釈が多いようです。
今参議院で審議中の改憲投票法ですが、9割以上賛成した衆議院で与党の賛成討論がなかったと、佐々木議員のメルマガで知りました。産経の笠井議員と公明党北側議員との対談は全く噛み合ってませんでしたが赤旗記者から、共産党と公明党の憲法に対する考えは大差ないと、2003年以前ですが聞いています。
安倍首相が導入を急いでいる集団的自衛権は、今の憲法で行使すると国民がテロの危険に晒され続け、9条の全面改訂で交戦権も明記しなければ停戦終戦ができないように思われます。国民が9条の全面改訂に賛成するかどうか,今の改憲投票法は他の条項と一括で投票用紙が交付され、国民の正確な意思表示がしにくくなっているのに、共産党を含め、選挙権年齢や選挙運動の制限、投票率(ボイコット運動回避でも国政選挙と同時など考えつくのでは)ばかり問題にされており、国民不在の党利党略に思えてなりません。1条1票○×といった、国民の賛否反映を最重要視してほしいです。極めつけは、維新の分裂をめぐって、共産党府議が小さなことで分裂と発言したのには、ここまで憲法軽視の政党なのかと、驚きました。国政政党が憲法への姿勢でまとまるほど、分かりやすいことはありません。自民党案への改憲を急ぐ自民党議員は、石原慎太郎の党へ行ってくれたらいいのです。
アメリカが国益にならない日米安保解消を検討中なのはネットでは常識だがマスコミは避けています。安保解消後の共産党の言う東アジア共同体ですが、日米安保から中国の軍事覇権下へ移行では、共産党は政権に入れるかも知れませんが、多くの国民は支持しません。また、中国にも軍縮や9条の導入を堂々とでも言えない限り、自衛隊なくし徴兵は、それこそ空文だと思います。気候変動などで国境問題は起こり得るし、非軍備を憲法に明記したコスタリカでも結構な装備の警備隊があり、防衛警察を他国に頼るのは保護国です。現代戦は徴兵では戦えないほど高度化しています。中国大使館の動員による妨害にめげずチベット、ウイグル、内蒙古が自由に語れる日本であり続ける、中国の圧力受けない沖縄独立運動を容認する、などが、軍事威嚇によらない軍縮への道だと思ったりするのです。