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不破氏「丸ごと奴隷制」論の非科学

2014/10/14 アクション仮面

不破氏の「まるごと奴隷制」の概念は全くもって意図不明である。不破氏は西洋 では奴隷が商品化されている(人身売買が発生している)が、非西洋圏ではまる ごと奴隷制なので「うまくやってきたんだ」とでも言いたげである。しかし、よ くよく考えてみれば、これは西洋では貨幣経済が浸透しているが、東洋では時の 為政者が貨幣の流通にいかに腐心してきたか、発達段階の相違を表現しているに 過ぎない。そして、奴隷制の本質とは“連れ去り行為”である。例えば、アテルイ の内乱以降、東北から近畿圏の農場(すなわち大荘園)にいかに多くの蝦夷が連 れ去られて来たことか、不破氏には想像もつかないことらしい。不破氏はコミュ ニティーの破壊について思いもつかない。不破氏 は全く無自覚的であるが、歴 史認識のいかに非科学的なことか。
実際、我々が忘れることは、資本主義が排除と囲い込み・解雇と人材流出防止策 の二枚刃であるように、奴隷制もまた、連れ去り行為と囲い込みとの二枚刃であ ること言うことだ。「使い捨てられてたまるか」というスローガンは、この観点 から評価されなくてはならない限界を持っている。
『前衛』20014年1月号の対談で不破氏は「まるごと奴隷制」は世界共通の現象な のに対して、ヨーロッパ古代の民主主義は人類の普遍的な価値のない「例外だ」 とでも言いたげである。不破氏は「西洋型」の民主主義と本気で闘うつもりでも いるのだろうか?