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不破哲三氏の「丸ごと奴隷制」論の非科学、その2

2015/1/21 アクション仮面

不破哲三氏の大好きな「全体労働者」について原典に当たって見た。すると「オーケストラが指揮者を必要とするように奴隷制は監督労働を必要とする。」「古代の監督官は鞭で奴隷を支配するが、現代の監督官は閻魔帳(勤評)で労働者を支配する」とある。ここでマルクスが「指揮者」を否定的に捉えていることは明らかであろう。不破氏はドイツ語はともかく日本語もろくに読めないのではないのか?
『マルクス自身の手による資本論入門』大月書店では単純協業の章は削除されてマニュファクチュアの章から始まっている。この理由はいろいろ考えられるが、単純協業の節が前半部で古代奴隷制を論じた後、後半でインドの原始共産制を論じると言う分かりにくい構成になっている こと、南北戦争での北軍の勝利の経験から『資本論草稿集』でたびたび現われる「奴隷制の方が資本主義より労働生産性が高い」というテーゼを転換したことが考えられる。
マルクスは「渡り」の監督官に展望を持った。だが、問題は現代では渡りの雇われ社長はすでに実現されているということだ。そして彼らは労働者の味方になっていない。不破氏はどこかで「中国の共産党員はたまたま出世しただけ」と言っているが、自らの階級意識を点検した方が良いのではないか?