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トロツキーに限らず歴史の真摯な見直しを

2000/1/2 吉井ゆき、40代、公務員

 トロツキーについての中央の評価は以前とは違いますが、数年前の評論特集版の不破論文以後は正式のコメントはありませんから、それまでなのでしょう。
 1930年代前半の歴史を少し勉強すると、社会民主主義者との統一戦線を主張していたのがトロツキーであり、スターリンは社会ファシズム論という極左冒険主義を主張しており、人民戦線術を採択するのは1935年以降です。
 歴史は皮肉です。70年前後には、「反スタ」をいっていた人が極左冒険主義、内ゲバを繰り返し、スターリン主義者と罵倒された民青が統一戦線を唱えていたのですから。
 私の手元に、榊利夫「現代トロツキズム批判」という本があり、その中には、トロツキーを評して、反革命、裏切り者、挑発者、スパイ、帝国主義の手先、ありとあらゆる悪罵が投げかけられており、それが当時の中央の公式見解でした。70年半ば頃からそれはおかしいという見解を表明する研究者グループが出てきましたが、私たち(共産党員の中で中央に疑問をもつ者)とは離れたところに行きました。藤井さんや中野さんらです。
 また自分と違う意見の者を、暴力で相手を傷つけることが正当化できる訳はありませんが、「新左翼」といわれた諸君の体質はトロツキー、スターリンに限らず、国際共産主義運動の負の遺産を背負っているものだと私は考えています。その意味で、私は80年近い我が党の歴史を今一度「正史」に限定せずに、見直していき、誤っていた点についてははっきりと認めることが、労働者大衆の本当の意味での信頼を獲得することだと思っています。