不破さんの著書「スターリンと大国主義」を読みました。あの本が書かれた時期は1980年代でバルト三国の問題が表面化してきた時期であり、バルト三国問題やソ連と日本との領土問題(千島)について詳しく書かれ、スターリンとその後のソ連指導部がいかにレーニンの路線を踏みにじり、大ロシア主義の大国主義による侵略・併合政策や国内での少数民族抑圧を行なったかを立証し批判しています。
しかし、独ソ戦争に勝利したソ連が、ソ連及びロシアと歴史的に何の関連もないドイツの東プロイセン(哲学者カントの町ケー二ヒスベルクなど。現在のソ連いやロシア領カリーニングラード州)の北半分を強奪し、更にポーランドからカーゾン・ライン以東の領土を割譲させポーランド人を強制移住させた代償に、ドイツ領のシュレジェン・ポンメルン・東プロイセン南半分などオーデル・ナイセ川以東の(ナチスが併合政策をはじめる1938年以前からの正式なドイツ固有領土で、住民の99%もドイツ人)広大な土地を、ポーランド(当時のスターリンの傀儡「ルブリン政権」)にプレゼントし、自国領とした東プロイセン北半分からを含め一千二百万人ものドイツ人を強制追放したことは、独ソ戦争で多大な犠牲を出したとはいえ、近現代史上でも大事件なのですが、何故かこの事件について日本共産党の国際部や外信部に質問しても明確な返答は得られず、そして不破さんの著書「スターリンと大国主義」にも何ら触れられていません。連合国間が定めた領土不拡大の原則――まあ、それ自体、形式だけのもので、アメリカも守りませんでしたが・・・――に完全に違反し、また不破さんら共産党の言う「レーニンの路線」を完璧に無視した暴挙なのにです。この件についての御意見を皆さんや、「さざ波通信」の方に御聞きしたいのですが・・・