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ドル機軸体制の問題点と改革の方向

2000/3/31 地域経済分科会、20代、サラリーマン

 こんにちは。匿名2号は改め、上のようにいたしました。職業も変わりました。
 アメリカが貿易、経常赤字が過去最大ですね。
 考えてみるとこれはドルが基軸通貨だから可能なことです。
 もしそうでなければ大昔に破綻しています。例えばこれがタイだったら、ちょっとでも貿易赤字になったら通貨危機でしょう。日本や欧州だともうすこし持ちこたえられるかどうか。
 ドル基軸体制にはこういう不公平さがあります。「市場の監視」とかいってIMFや日本の経済企画庁が昔、途上国の通貨危機をいいことだと賛美していましたが、トンでもないことです。(私は別に社会主義者ではありませんが。自然の感覚として)
 もうひとつの問題は、途上国の経済発展の様式が事実上ドル稼ぎに限定されていることです。
 ドルを稼ぐために、必然的に、アメリカなど先進国の市場にハイテク製品輸出などで依存せざるをえない。いわば、垂直的構図です。
 こうした構図が続く限りは、環境破壊も戦争も疫病も悪化の一途でしょう。
 途上国がハイテクというと訝る方もいらっしゃるでしょうがいまや、食料輸出国はアメリカなど先進国、途上国のインドはむしろ、ソフトなど、ハイテクの下請けで稼いでいるのが実際の構図です。(日本は「特殊事情」で、食料輸入国ですが)
 ハイテクは、たしかにドルを稼げますが、案外国内産業への波及が少ない。幅広い階層が豊かになってこそ、経済は健全な発展ができます。そうでないと、例えば農村が貧しいままなら、都市へ人口が流入し、スラムなどの問題が起きるし、農村が弱いから、食料も不足する。
 ここは、ドルを頂点とし、次に日本、欧州が来て、アフリカあたりがどん底にくるような垂直的貿易、通貨システムの改革が必要です。
 例えばインドとモンゴルといった、途上国同士の交易を増やし、自立的発展ができるよう改革せねばなりません。水平的ネットワークを強化するのです。
 それには、通貨システムの改革が不可欠です。現状のドルだけではだめです。
 ある種の世界通貨のようなものを発行し、それを途上国に多めに割り当てるとか、そういう形の方向がひとつの選択肢かな、と愚考いたします。
 ケインズが考えた世界通貨構想などももう一度検討したらいいかなと思うのです。公共事業をやるのだけがケインズではありません。通貨問題を真剣に考えたのが彼の実像だと思うのです。
 国内改革に関する日本共産党の意見にはそれなりに説得力があるとは思います(基本的に保守(自民党ではないが、さきがけや民主党)を支持してきたわたしにとっても)
 しかし、国際経済の面でも具体策というのをもっとだしていただきたいと愚考いたします。