今、日本社会では非常に格差が開きつつあります。
ジニ係数は欧米以上に日本の不平等度の拡大が激しい事を示しています。
これは経済のグローバル化と軌道を同じくしています。なお、近代経済学も、貿易自由化が先進国の労働者階級から資本家階級へ、また、中小企業から、先進国の大企業へ、所得を移転する事を認めています。
こうしたことを背景に愚考しますに、今後は、階級政党の時代が戻ってくると思われます。
なぜなら、いままでは、自民党は1.農民、2.中小商工業、3.大企業・高級官僚、を支持基盤としてきました。そしてその三つをうまくバランスさせました。
ところが、最近では、グローバル化を無闇に進め、3の部分の利益を図るようになりました。
経済成長率が低いのでそこへ予算を優先せざるをえないし、また自民議員の大半が、資金を頼っているので、2、の部分が崩壊しました。
具体的には中小商店がつぶれ、何もの倒産した店のご主人は無産階級(と言う言葉は私は元来保守政党(自民以外のさきがけ、新進、民主など)
支持の人間だから使いたくないが)、に転落、そのかわり一軒だけでかい店舗が郊外に並ぶようになりました。
はっきり言ってこれでは、自民が衰退するは当然。
で大きな店に勤めている人は所詮はサラリーマンだから無党派ないし、組合関係で民主支持でしょう。
自民がよりどころとするは、農民と、大企業・官僚のみ。しかし、大企業や官僚は保身には長けていますからいざ自民が政権を失えば逃げるでしょう。
今後、IT革命が進めば、「デジタル格差」の問題も出てくるでしょう。地球規模で階級闘争が激化するかも知れません。
それはともかく、自民の堅い基盤はいまや農民だけです。いわば、自民は農村部だけで強い、地方政党に成り下がりつつあります。東京知事選挙ではもはや91年から3連敗です。
民主党はどうか? 労組は支持し、一部の官僚も取りこみつつありますが、今一つはっきりしない。したがって、将来分裂する可能性もありますし、伸び悩む可能性も強い。
公明党は、ある種、貧しい人の受け皿となりつづけるでしょう。
日本共産党はどうか? 答えはおのずとわかってきます。2、で自民から放り出された層、それに、民主党や連合に不満をもつサラリーマンです。将来的には、農民を自民が切り捨てていけばこれも獲得できる可能性があります。
自由党はどうか? はっきりいって右派政党としての存在価値しかないでしょう。一部にマニアックな支持者は存在するでしょうが。社民党もマニアがいそうですが。。
こうなると、しばらく、自、民、共が三つ巴で争い、公明党が、自、民の間を歩き回る。危険性としてはある種のファッショ政党が勢力を伸ばす可能性もありますが。
いずれにせよ、二大政党は絵空事です。アメリカでも投票率は5割切っています。原因は民主、共和だけでは大多数の不満をすくいあげられないからです。
しかし、日本には多くの党があるので、これらが、一種の「階級闘争」が激しくなる今後、受け皿となって、合い争う状態が続く公算が大きいと見ています。