みなさま、 こんにちは。
0.始めに
とうとう、総選挙まで1ヶ月を切りました。民主党の掲示板で「民主党議席倍増講座」というスレッドがあったので、それも参考にしながら愚見を述べたいと存じます。
1、自民党の消長は投票率に掛かっている。
さて、1989年以来、4度の参議院選挙と3度の衆議院選挙がいままでございました。自民党が「惨敗」したのは、89年参議院、政権を失った93年総選挙、98年参議院。一方、90年、92年は自民大勝であり、96年総選挙は伸び悩むも政権維持というところです。95年参議院は伸び悩み。
自民党の消長は投票率に掛かっています。すなわち、89年総選挙で社会党を圧勝させた層が動く事で、自民党が大敗する傾向が見えます。これらの層は、92年はおおくが棄権。93年総選挙では日本新党などへ流れました。95年もこれらの層が棄権。自民vs公明の組織動員合戦となりました。96年総選挙も低投票率でいわば自民vs公明の対決が軸でした。98年総選挙は、これらの層は、民主党や共産党に流れ、自民が惨敗しました。
2、覆った選挙の常識
昔は、低投票率=保守層の動きが鈍る=公明、共産躍進、自民大敗、の構図でしたが今は違います。それは経済成長率高かりし頃の話です。いまやグローバル化、経済成長率の低下、国内の格差拡大という状況下、かつての「保守層」のおおくが自民党から離れ、むしろ「棄権」か「野党」かの
選択をするようになってきています。
89年には主にサラリーマン、農民が自民党支持から離れ、98年には都市部の中小企業者の心を自民は失った。残る絶対的な自民基盤はゼネコンと、銀行、高級官僚だけです。ですから当然低投票率のほうが都合が良い。
3.日本共産党の獲得可能議席を計算する。
では、最大でどの程度これら「保守層」が自民から遊離しその結果野党が伸びるか。
それは89年参議院選挙、98年参議院選挙が参考になるでしょう。89年を基礎にすれば、自民、公明以外の有力政党の得票率は約58%。これに投票率をかけた絶対得票率は39%程度と思われます。投票率は68%。逆に自民党の絶対得票率20-21%、公明党の7ー8%は、これは絶対的なものでこれ以上は減りません。おそらくゼネコン、銀行、高級官僚の絶対的自民支持層ですので。
で、有力野党のうち、民主党は、98年参議院選挙での力から見て、17%から18%くらい最大で見込めます。社民党が、4%くらい。自由党が5%くらい。すると、日本共産党12-13%の得票を最大見込めます。大体、投票総数の中の比率として、17-20%くらい。比例の議席を30-36議席程度確保するでしょう。(あくまで最大限。)自由党が12議席、社民が10議席、民主党は45議席程度。比例代表だけでは、与党を過半数割れに追い込めます。
与党陣営は、公明が、20議席程度、保守・自民で合計57議席。保守は比例での議席確保は危ぶまれます。で、日本共産党は小選挙区では28くらいで当選可能性があると見ています。すくなくて10程度。40-64議席、この中間の52議席を取れば「倍増」であります。このとき民主党は90くらいの小選挙区で当選者を出し135前後、社民が2、自由が5。まだ、与党を過半数割れに追い込む事はそれでもむりかも知れません。
4.議席倍増への戦略ーー経済政策中心に攻める
やはり、経済政策を争点にすべきです。景気対策をやりながらも、失業率を低下させられず、地域経済レベルでは不況が続いている。介護保険も「失敗」。年金、医療の無策などで与党を徹底的に攻めるべきです。総理の「神の国」発言も追い風になるでしょう。おそらく。
ただ、外交政策や少年法などで「革新色」を出しすぎると失敗します。ここは経済を軸に森総理の資質をふくめながら与党を攻めるべきです。というのは、過去投票率が上がった選挙ではみな投票率が上がったが、政治的、イデオロギー的争点が浮上した92年(PKO),95年、96年(学会vs自民)では投票率が低い。これでは甚だ野党が不利です。
5.次で天下を取る事をあせるな。
日本共産党は本気で天下を取る事を考えるべきと愚考致します。しかし、矛盾するようですが、選挙後、無理に政権入りを焦ってはほしくない。
次は自民は大敗しますが、与党はかろうじて過半数を維持するでしょう。ですから、問題はその次です。まず50議席程度に増えた議席を生かして、
注目される。その次でバイバイゲームで100を狙って行く。そしてひたすら政策をまじめに訴えるべきです。正面から自民党を寄り切る形で政権を取れれば国民も納得するでしょう。村山社会党の轍を踏んでは行けません。