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狛江市長選から学ぶこと

2000/6/29 日陰のもやし、40代、自由業

 今回の狛江市長選は狛江市在住のものから見ても実に意外な結果であった。と言うのは基礎票から言えば矢野市長の再選はありえなかったからである。
 今回、対立候補の飯田伸太氏の得票は15,175票で、これは衆議院東京22区の自民党進藤氏の得票11、791票と自由党鈴木氏の得票5,223票の合計とほぼ一致する。
 これに対し共産党員市長矢野氏の得票19,940票は同じく東京22区共産党候補岡田氏の得票6,648票と民主党山花氏の得票13,401票の合計とほぼ一致する。
 これは偶然の一致だろうか? 多少の入れ違いはあっても民主党支持者が矢野氏支持に回ったのはほぼ間違いないだろう。と言うことは民主党支持者は党の支持とは別に独自の判断をしたと言ってもいいだろう。つまり矢野氏は民主党支持者の独自的判断によって再選されたのである。
 これは飯田氏が前市長石井氏側の人物であったこと、また飯田氏側の宣伝があまりにも矢野氏の個人攻撃であったことに対する市民の反発も多いに影響していることは間違いない。
 しかし共産党の「しんぶん赤旗」も本サイトのトピックスも単に矢野氏の再選を単純に評価しているだけである。まるで「一万票余り」の矢野支持者が突然表われたがごときの喜び様である。現実は民主党支持者が「よりましな候補者」として矢野氏に投票した結果にすぎないのである。
 その背景は、ここ狛江は世田谷区に隣接しつつも土地の価格が世田谷区のほぼ3分の2で新住民がここ2,3年急速に増加していることがあげられる。その新住民が国政では民主党山花氏に入れ、市長選では矢野氏にいれたのである。なんと言う柔軟さであろうか。共産党の幹部はこの現実を理解できるであろうか?
 共産党は何かと言うと「民主」何々と言う言い方をする。「民主都政」、「民主市政」云々。矢野氏の再選は共産党のいう「民主市政」、「革新市政」が評価されたからではなく「土建屋賭博市長」の「仲間」の復活を最低限いやだと思った市民の「最低限」の投票行動の結果なのである。
 ここで私が言いたいのは共産党員市長矢野ゆたか氏は民主党支持者の「よりましな」選択の結果選ばれたが、共産党員あるいは共産党支持者にその意識はあるのか? つまり自らは「よりましな」選択をする覚悟があるのか、と言うことである?
 つまり今回の総選挙においても「よりましな」選択を共産党がすれば自民党政治に終止符を打つことは十分に可能であったのである。それは、具体的には小選挙区での民主党への「無条件」での投票である。理由はただひとつ「よりましな」選択で十分ではないか。確かに小選挙区制は死票を考えれば不合理な制度である。しかしその元でも政治は変えられることを国民に示すことが政党の本来の役割ではないか。今回の矢野市長の再選を「民主市政」が評価されたと考えるなら矢野市長の三選はないだろう。「民主市政」、「革新市政」というなかれ! 「普通の市政」でいいのだ! ここ狛江で「普通」の市民が「普通」に市政を動かすことに日本の未来はあるのだ! 矢野さんはそのことをよくお分かりでしょう。
 今回の選挙結果の総括を「謀略ビラ」に求めるなど、政党の最高幹部として最低の行為です。不破委員長以下、共産党幹部は狛江に来て市民の意見を聞きなさい。きっとどうすれば政権を獲れるか教えてくれますよ。
 もう一度いいます! あなた達が最大限評価する「狛江市矢野民主市政」は主に「民主党支持者」の「よりましな」選択の結果なのですよ! 今度はあなた達が「よりましな」選択をする番ではないのでしょうか!