謀略ビラの卑劣さに対する不破委員長や志位書記局長のテレビ番組における発言は正当である。そもそも、選挙期間中における大規模な謀略ビラの配布は、法令に反する犯罪行為である。しかも、その犯罪行為を行なったのは政権与党を構成する者たちであり、またカルト的宗教的熱情を利用して夜霧に隠れて行なわれた行為だとすれば、反社会的無法行為として、社会的に大いに糾弾されるべきであろう。そもそもそも卑怯(今や死語なのか)である。
この『さざ波通信』の投稿欄にも、テレビ番組での謀略ビラ批判はみっともないとか、謀略ビラは選挙結果にたいして影響しなかったのではないかという旨の発言がありますが、私はそのようには考えられません。
まず、その影響力である。中学校や高校でまともに現代史や政治経済の基礎知識を学習する機会のない多くの有権者は、ソ連の崩壊や北朝鮮の惨状を目の当たりにしており、「誰も知らない日本共産党のホンネ」などというビラを目にすれば、意識的にあるいは無意識的に「やはりそうか」などとと少しは感じる者が10人に1人ぐらいはいるだろう。そして、その10人の中の1人ぐらいが共産党に投票しないという選択をした可能性はあるでしょうし、選挙そのものをばかばかしいと感じ「寝てしまう」有権者もいたでしょう。結果として、1億枚ばらまけば100万票程度の共産党の得票数の減少があっても不思議では無いでしょう。まあ、統計学的には実証されてはいませんが、電車の中吊広告だけで内容がわかったつもりになる事もあるのです。
もう一つ指摘しておきたいのは、マスコミのいい加減さである。そもそも国会議員の選挙期間が2週間という短期間であり、しかも選挙運動の手段が非常に限定されている選挙法のもとで、野党がその政策を有権者にアピールする事は非常に困難です。そこで重要となるのがマスコミであろう。しかし、日本の大新聞を購読してまともに各政党の政策の中身と政党間の政策の違いを把握できるでしようか。これらを把握できるほどのすばらしい紙面は見たことかありません。また、2週間の選挙期間中に、特別番組を組んだ民放はありませんでした。民放の選挙番組は、すべて通常番組時間内の、司会者とは呼べないキャスターと、有権者を白けさせるコメンテーターの発言が優先される番組づくりが主流である。ときにはおもしろい展開場面もあるが、政党代表者の発言は与党重視であり、発言時間も一回30秒とか一分程度であり、その上コマーシャルが討論の流れを分断する番組構成であった。選挙後「開票特番」をゴールデンアワーに放送することが可能なら、選挙期間中にこそ同程度の番組を各局とも数回は行なうのが視聴者に対する当然の義務ではないのだろうか。民放はまともな報・・・文字化け部分・・・。
このような状況からすれば、多くの有権者は選択の前提条件が全くの愚民政策の下に置かれているというべきではないでしょうか。だからこそ、謀略ビラを批判することは、日本の民主主義が発展するためにも必要であり、不破、志位両氏のテレビでの発言は正当であると言うべきでしょう。けっして、みっともないとは私は考えません。この投稿に対する批評を期待します。