どうして「サヨク」の人らって、議論するとき、相手の言うことには一利もないって決めつけたがるのでしょうか。意を汲むってだいじだと思うのだけれど。党員用投稿欄では編集部を含め、互いに実も蓋もない形で批判を浴びせ合っているけれど、お互いもっと暖かく見守ってあげてもいいんじゃないのと言いたくなります。そういえば、かって党員だった頃はボクもそうだったかな。
<おっとり刀さん>
編集部の言われる「民衆の切実な要求からの出発」とは、具体的に何なのでしょうか。私は「資本主義の枠内での改革」は、切実な要求だと思っています。社会主義を今求められているとは思えませんし、自衛隊や天皇制の廃止だとも思えません。安保にしても、残念ながら多数意見だとも考えられません。
<編集部>
この文章には、ある典型的な誤解、改良主義に特徴的な誤解が示されているようです。
すなわち、「民衆の切実な要求」と「民衆の多数派が今現在求めている要求」とを事実上、同一視する見方です。これは二重に誤っています。 まず第1に、この見方においては、民衆の多数が今現在求めていない要求は切実ではない、ということになり、少数派の民衆の切実な要求が切り捨てられてしまいます。たとえば、基地周辺に住む住民の数は、基地周辺に住んでいない国民の数からすれば圧倒的に少数です。沖縄民衆の絶対数は、本土に住む国民の絶対数に比べれば圧倒的に少数です。これらの少数の人々の切実な要求は、国民多数派が今現在求めている要求ではないので、切実ではないということになってしまいます。
おっとり刀さんに対して、典型的に改良主義に特徴的な誤解をしてしまった、と断じては実も蓋もないでしょう。ボク流におっとり刀さんの意を汲むと、「この大不況下にあり、悪しき政府の悪しき政策(無策)のために、中小企業の経営者や労働者は深刻な生存の危機にさらされている。現に、毎年何万人もの人々が、経営危機やリストラ・失業で自殺に追い込まれている。リストラを免れた労働者には、サービス残業など不当に加重な労働を強いる現実はもはや限度を超え、過労死が相次いでいる。これらの事態に対し一刻も早い救済の手だてと不況脱出の策を講ずることこそ、民衆の中の最も多数の最も切実な要求ではないのか」となります。
おっとり刀さん、間違っていたらごめんなさい。間違っていなかったらボクと同じ意見です。ボクが言いたいのは、「民衆の中の最も多数の最も切実な要求」というところ。最も多数であることと、もっとも切実であることはかならずしも同じにならないけれど、事のなりゆきで、この二つの条件がそろった要求が民衆の中に生じているのなら、選挙の争点の基本にすえるべきではないでしょうか。それでも編集部は次のように言うのでしょう?
<編集部>
第2に、民衆の多数派がいま直接に意識している問題とその客観的な要求とを同一視するという誤りです。現実においては、多数派の利益を著しく損なうものではあるが、その深刻さがその多数派には十分意識されていない問題や政策はいくらでもあります。そのときに、前衛党たる共産党は、今現在の多数派の意識に追随するのではなく、現実の利害、多数派が意識しているとしていないとにかかわりなく、その多数派にとって切実であるはずの要求を取り上げ、それを訴えることで、民衆の意識を引き上げる系統的な努力がなされなければなりません。
借金苦で今まさに首をくくろうとしている人を前に、「いま直接に意識している問題」から離れたどのような政治的説教が可能でしょうかお聞かせ下さい。共産党は一貫して「生存権」を最も大切な権利の一つとして主張・擁護してきたのでしょう?あなた方のまわりには身近に自殺した人がいないのでしょうね。ボクのまわりには2人います。当人や残された家族の無念さを思うと怒りがこみ上げてきます。
だいたいこのHPの一種奇妙な味付けの妙は、「民衆の本当の要求」と称するものなどを共産党員(と称する人たち)が議論しているのを、ぬけぬけと公開しているところにあるのだけれど、そのへんに対するイライラがタケルさんのお怒りの根っこにあるのでしょうね。でも、編集部の不破さんに対する批判も、タケルさんのお怒りも、ボクにはよく理解できます。ただ、お互いHPでの公開討論ということで、時間差も含め十分意を尽くした話し合いになっていないのではないでしょうか? 同志と呼び合う中なら、「おなじこころざし」を大切にすることから出発する議論が可能なはずです。
なお、この間のいくつかの議論に少しかかわるとおもいますが、「資本主義の枠内での改革」の具体的な中身として、「資本主義のルールを守れ」との主張を選挙の争点として共産党がさかんに言い出したのは、2年前の参議院選挙の時からではなかったでしょうか。当時(98年)の前衛7月号に掲載された浅田彰さんのインタビュー記事「二つのルールが問われる日本資本主義」を読み返すと、党中央としては、まさに我が意を得たりといった感じではなかったかと思います。印象に残った記事だったのでとっておいたのですが、ここでの浅田さんの主張が現在そのまま実行されている気がします。私には説得力のある内容に思えたのですが、選挙が終わったら是非編集部のコメントを聞きたいと思います。
最後に、たよりになるのは共産党だけと思っていますから、選挙てつだいます。それから、共産党以外に投票する気はありませんから、どうか「全選挙区擁立」だけは続けて下さい。