こんばんは。
「保守層」の私が、日本共産党の党内問題にとやかく申し上げるのは、いかがかと迷いましたが、やはり日本共産党の動向が21世紀の日本及び世界の社会・経済・環境などのあり方に大きく関わってくると愚考し、あえて投稿させていただきます。
1.今の時期に執行部糾弾は得策ではない。
これは編集部の皆様にとくに申し上げたい事です。
愚考致しますにいまのこの時期に日本共産党中央を批判する事は、結局足を引っ張る事にしかなりません。投票日まであと10日足らずということ
をご配慮下さいませ。
私は、経済のあり方の理想として、人間的な幸せが効率の上位にくるような、すなわち、競争も、人間的尊厳を守ると言う枠内で行なわれる、そういうものを目指すべきと考えています。
それが資本主義と呼ばれようと、共産主義と呼ぼうと関係ありません。
途上国の環境や人権を侵害してもいけない。構造的暴力を内蔵していてもいけない。核は廃絶すべきである。思考過程として他人の意見もよく聞くような社会にする。これが平和教育の国際的な4本柱ですが、これが実現できるような社会であればよい。
天皇陛下がいらっしゃろうと、日の丸が掲揚されようと、こうした実質が実現していればよいのであると愚考しています。
例えば、デンマークは王制ですが、例えば共和制のペルーなどに比べればよほどこうした理想に近いでしょう。
ところで、上記の事を実現するのは自由民主党では不可能です。彼らは、高級官僚・銀行・ゼネコンの味方、大会社の味方ですから中小業者を守ったり、南北問題に本気で取り組むなど、考えにくい。日本共産党に天下を奪われそうになって初めて重い腰を上げるでしょう。
公明党も弱者の味方といいながら彼らがやった児童手当法改正であらたに対象になる人は限られている。三〇代後半ともなれば所得制限に引っかかって、給付が受けられません。しかも増税とセット。彼らの言う弱者とはいったい何か。
民主党も所詮は地方レベルでは旧来型開発行政を自公とともに推進している地域が多々あるのはみなさまもご存知と思います。
連合が、公務員の労働条件悪化反対と叫びながら、一方で多国籍企業など大会社優先、環境破壊の自民系首長に相乗りしている姿は滑稽でしかない。彼らには独自の地域活性化ビジョンがない。
自由党も、そうです。効率至上主義と国家主義をセットで主張しています。効率主義で生じる矛盾は、国家主義で覆い隠そうと言う按配です。自民・公明・民主・自由は対外的には国際競争力や消費者の利益を云々して、実はアメリカの大会社のいいなりです。
アメリカの大会社の言う事をうのみにすれば途上国を収奪し放題、二酸化炭素は排出し放題(新自由主義者の主張通り、アメリカ型大型店を増やし中小店舗を潰せばせば車依存社会が進むので)、労働者の人権はないも同然(自由はあるがそれは路頭に迷う自由)という酷い状況になるでしょう。
日本共産党中央は、たしかに自衛隊など、党員に相談もなしに方針転換を行ったのは、民主化という点からは残念です。
しかし、だからといってここで中央を批判して変に足を引っ張っては、自民、公明、民主タカ派を喜ばせるだけです。
まして民主党右派に投票するなど論外です。彼らは自民党の左派よりむしろ効率至上主義で規制緩和=小さな政府万能論者であり、新自由主義マイナス国家主義という程度です。
規制緩和こそ、市場液剤万能こそ、さまざまな弊害を生み出し逆に行政コストを上げる、ことはたびたび主張していますので繰り返しませんが、とにかく市場経済至上主義者の主張は笑止千万です。
多分亀井静香自民政調会長あたりより南北問題などへの理解はないでしょう。
くりかえします。党中央の批判は結構ですがそれは足をひっぱり結局むしろ日本社会を悪い方向へ向かわせる恐れがあります。
もっと踏み込んで言えば「革新」同士で内紛をやっている場合ではありません。日本の「革新」は昔から細かいところですぐ内紛をやって自民党の思う壺になってきました。「内ゲバ」というやつです。
その愚は繰り返すべきではありません。それには、日の丸君が代とか、天皇陛下の問題をあまり表面に出すべきではありません。自民がガタガタ言ってきても無視しましょう。
主戦場が「経済」や「社会のあり方」になっていれば日本共産党に勝機は絶対あります。これらで、いまの自民、公明、民主に疑問を持っている人は
多くいるからです。はっきりいって、オール与党には全然改革への展望はありませんから。あいかわらず程度の差はあれ公共事業バラマキしか能が無い。
日本共産党の課題は「原発反対、アメリカ大会社の横暴反対だが、自衛隊の日本への侵略があったときの使用は容認し天皇制は賛成の層をいかに取りこむか」だと愚考いたします。
2.しかし、不破執行部にも政権入りは焦ってほしくない。
しかし、一方で私は不破執行部にも政権入りは焦ってほしくないです。万が一鳩山内閣が成立しても、日本共産党の理想(ここでいう理想は共産主義ではなく国内外の人間的尊厳とか、地球環境がそこそこ守られそれを前提として経済が回る社会)を曲げずに、左から要求をビシビシ突きつけるべきです。そして存在感をアピールします。
そして残業規制、原発廃止などを実現させましょう。有事の自衛隊出動はやむなしとしてアメリカの言いなりはやめましょう。せめて北欧並みのスタンスはとれないものでしょうか。折角南北朝鮮の緊張緩和も進んできたので、北欧や旧西ドイツ程度のアメリカ一辺倒ではないバランスある外交を主張するべきです。
アメリカの大会社のいいなりもやめましょう。真の「消費者の利益」を追求すべきです。
それくらいヨーロッパはやっています。ヨーロッパ程度の事も出来ないならそんな政権には入るべきではありません。左から要求を厳しく突きつけて行くべきです。
3.民主と自民が組んでしまったらどうするか?
もしこのようなケースになったらどうでしょう。
日本共産党が野党にとどまり、民主、自民とも過半数に達しない場合は、大連立もあり得ます。
万が一、民主が自民と組めばそれこそ日本共産党のチャンスです。オール与党vs日本共産党の構図が露骨になるからです。
それでは国民は苦しむ、責任放棄だという声も出るかもしれません。しかしこの場合はそもそも、民主は毛頭効率至上主義、アメリカの市場経済帝国主義への盲従を改める気がさらさらないのですから、たとえ日本共産党が無理して民主と組んでいたとしても無駄です。改める気があるなら日本共産党ととっくに組んでいます。
3.最後に――日本共産党にはある程度伸びてほしい
地方の首長選挙での民主の日和見主義、公明党の弱者への「裏切り」を見れば、やはり日本共産党が伸びてくれるしか日本社会を、また世界全体をよくすることにつながらないのかも知れないと思います。
日本共産党が伸びる事で、自民党や民主党も重い腰を上げて、南北問題や労働問題にまえよりはまじめに取り組んでくれればそれだけでも意義深いと愚考致します。
わたしは、象徴天皇制賛成、死刑制度部分賛成、少年法改正賛成、国旗国歌容認の「保守」ではありますが、それでも日本共産党には今回の総選挙で伸びてほしい。そう愚考致しまして本稿を終わらせていただきます。
それには党外の私などよりそれこそ党員のみなさまの団結と頑張りがものをいうと思います。
以上、長い文章、失礼致しました。