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一般投稿欄

takさん、ミレニアムさん、神楽坂紅梅さんへのレス

2000/6/11 平山薫、20代、会社員

 共産党の憲法9条問題は、党の説明不足を謝罪します。実際、正確に伝えられる人もいないという、共産党の堕落は、目に余るものがあります。我々は、真摯に反省しなければならないでしょう。
 共産党は、最終的には、自衛隊を廃止します。しかし、これは、国軍を廃止するという事です。国民が自立して、訓練して、自分たちの国を自分たちで守るという方法は、国民が望む場合においては、党の方針からはかけ離れない、完全な非武装中立のみを希望しているのではない、というのが、党の方針の正しい解釈でしょう。これは、大雑把な言い方をすると、スイスの永世中立国の考え方であれば受け入れられるという事でしょう。国家が独立して、他国と軍事同盟を結ばず、国際的な力関係、軍事対立から、自ら蚊帳の外に出る。また、日本が、自分の都合で、他国に侵攻していく事が難しい体制を作っていくという事です。
 しかし、現時点でいきなりそれが可能ですか? 不可能です。では、どうすればよいか。まず、米軍の駐留を減らす。そして無くす。自衛隊のみで国防をする。国家的な信頼を得ながら、最終的には共産党が自衛隊を解体していく。そして、その後、国民が希望するなら国民軍を創設する。そういう、長い、先の話なのです。今、いきなりこれを国民の支持もないまま性急に実行したら、これはファッショ政治です。
 共産党は、2段階革命論を取っています。これは、現在の、資本主義の枠の中で改革をし、連合政権を獲得し、支持を受けながら徐々に共産党の考え方を知って貰い、国民の支持を得られた部分から改革をしていくというのが、真の考え方です。
 現在の共産党の議席はいくつですか? いきなり伸びると思いますか? 安保闘争に関わった世代は、すでに若くて50代です。今の青年党員は、古い意味で言う革命は考えていません。「2段階革命=政権交代」と覚えていただいても、大きな意識レベルでの差はないでしょう。
 現時点で、共産党が、どれ位の力を持っており、どの位の事が出来、どの位の想定をしているか。全共闘以前の世代の人の中で、過激な意見を持っている人で、それだけの修羅場を潜ってきた人が、遠い将来、少なくとも日米安保廃止の通告が米国に対して出来るだけの議席を取る時代に、現役の幹部党員でいられるのでしょうか。今の若者の中で、一体、誰がそんな過激なことをするのでしょうか? 誰が指揮し、誰が付いていくのでしょうか。
 現在の若者に、そういう修羅場が潜れると思いますか? 恐怖政治が出来ると思いますか? 現在の話、過去の話、未来の話、時制を混同させ、無茶苦茶な論旨の展開。これが反共攻撃の実体なんです。
 だからこそ、共産党は、柔軟になったのです。理論を目指す。綱領は変えない。では、いきなり実現出来るか? 現代の若者には無理。だから、段階設定をする。理想の社会を作る為の一歩をどこに求めるか。そういう視点を、共産党は、最近、持ち始めて、それが故に支持されています。しかし、慌てて持ったが故に、混乱も生じています。上手く説明できないから、現実の情勢と、綱領と、共和国憲法の理念と、段階設定が混在しているのが現状でしょう。
 社会党病になるか、分派が生まれるか、現執行部の路線の正しさが証明されるか、これからの共産党にとっての正念場であり、今こそしっかりとした支持拡大をしなければいけないでしょう。最終的な目標が、革命(政権交代)にないという人間が、民青(共産党系の青年組織)の県委員レベルまでは結構占めていますから、理念が消えてしまう可能性もあり得ます。
 最後に。共産党は、共和国憲法は否定してはいません。最終的な理想国家に向けて、一歩一歩段階設定をしながら歩いているのです。以前に比べて、その設定が細かくなっただけです。そして、共和国憲法に書いてある事項について触れるとき、「それが可能な情勢になり、国民が望むなら」という、解説が付くことが多々あります。これをいちいち付けることは、ファッショ政治はしないという姿勢の現れと考えて差し支えないでしょう。