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一般投稿欄

レーニン批判ではなくマルクス批判を

2000/7/1 琵琶湖 太郎、30代、労働者

 私は、批判すべきは、レーニンではなく、マルクス及びマルクス主義そのものだと考えます。唯物論や搾取については一定の真理があるが、階級闘争論や市場、資本主義に対する評価、史的唯物論や国家論等、マルクス主義の基本原理の多くは根本的に誤っている。
1.これまでの人類の歴史は、すべて階級闘争の歴史だとはいえない。
 また階級闘争によって人類が進歩してきたわけではない。資本主義の勃興期に経済的な力を持ったブルジョアジーが、封建地主から政治権力を奪い資本主義の成長を可能にする政治的、法的システムを構築したというのは歴史的事実であるが、それは人類の歴史からみれば非常に短い期間であり、それと同様のことが未来において起こるとは言い切れない。資本主義は、経済の成長にとって強力なエンジンであり、労働者階級は資本主義によって多大な利益を得ている。また現在の階級というのは身分制度ではない。従って適材適所で仕事をすれば良いのである。経済的弱者である階級が政治権力を握っても生産力の発展に寄与できない。

2.市場とは、ある特定の人間がコントロールできないからといってそれが人類の能力が低いといったことではなく、すべての人が参加しているから予測不可能なのであり、この機能を人類は未来においても積極的に活用していかないといけない。

3.原始共産制社会において人類は幸福であって、未来の社会において否定の否定により高度な形で復活するというのは、ある種宗教的な考えであり科学とは言えない。

4.国家は社会が階級に分裂しているから存在しているのではない。
かつて国家がなくても良い時代があったのは、階級に分かれていなかったからではなく、社会が単純だったから。未来においてすべての人が経済的不平等がなくなり階級が一つになったとしても現在の警察、消防、学校、役所等国家機能がひとりでになくなるわけがない。

結論
 マルクス主義はいままでの空想的社会主義を第一次空想的社会主義と呼ぶなら第二次空想的社会主義と呼ぶべきものであり、その内容についてのベルンシュタインやカウツキーの批判も正当なものであった。資本主義の持つ強力な推進エンジンを発揮しつつも経済的搾取を可能な限り無くすシステムを過半数を超える左派勢力によって構築していく必要がある。
 

 「科学的社会主義」欄に掲載希望となっていたのを手違いで一般投稿欄に掲載してしまいました。「琵琶湖太郎」さんにお詫びするとともに、リンクという形で「科学的社会主義」欄に掲載します。(編集部K・S)