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黒田清氏を偲んで

2000/7/27 夜間工作者、20代、製造業

 はじめて投稿させていただきます。戸田さんは生前の黒田氏の『半共』的スタンスを好意的にみておられたようですが、僕は黒田氏の敢えて共産党との摩擦を避けていた態度に無責任さを感じてしまいます。二月の府知事選と京都市長選の翌日、黒田氏は関西ローカルのとーく番組で、前日の選挙の話題の時、本来ならば黒田氏はご存知の通り共産党系候補の応援演説をするなど選挙関係者として発言すべきところを、「今回の選挙に勝利者はいない、どの候補者も有権者に愛想をつかされてしまった」といった、まるで第三者のような趣旨のことを言っていたのを記憶しています。『半共』の黒田氏の口から建設的な共産党批判が聞けるものと期待していただけに肩透かしをくった思いがしました。黒田氏のこのような発言のなかには、共産党を擁護するにも、黒田氏自身、共産党の抱える問題点、有権者との溝、選挙の敗因を十分自覚していて、それすらも出来ず、かといって、批判をすれば共産党との信頼関係にひびが入りかねないという苦渋の思いが感じられるのです。いかに黒田氏のなかに「小異を捨て大同に付く」という基本姿勢があったとしても、苦言を呈すべきときに、苦言を呈すことが、『半共』の黒田氏に課せられた役割だと思えたのです。
 黒田清氏にかんしては、ご本人も今年の2月の時点で、余命幾ばくもないことを御存じであったと思われるのですが、それにもかかわらず、共産党にたいしなんら「愛の鞭」を振るうことができなかったことが、二月の首長選からなにも学ぶことなく、今回の衆院選で敗北を喫した共産党と来たるべき日本の新たなる朝をみることなく、志なかばで世を去った黒田氏の不幸でないかと思えるのです。