選挙が終わって一週間、マスコミ、あるいは各政党でこの総選挙について様々な振り返り方がされている。20議席に後退した共産党については党自身は相変わらず「謀略ビラ」に固執した発言を続けているようだが(朝日ニュースターでの志位書記局長)、それ以外では「諸君!」誌がからかい気味に「一郎と哲三の南北会談」と称して共産党と自由党の連合を空想的に展望しているのが目立つ程度である。選挙前には共産党の躍進を予測したマスコミもあったがそれとは対称的な冷ややかさである。それもそうだろう、70年代以降一進一退を続けてきた共産党にはマスコミの興味もつきたというところなのだろう。
勝者がいないと言われる今回の選挙ではあったが、各党にはそれぞれの注目を集める人物や動きがある。都市部で敗北をした自民党は河野太郎や石原伸晃、田中真紀子らが党執行部に声をあげ始めているし、女性当選者で前進した社民党は元気者辻元清美や25歳の原陽子、沖縄の東門氏などがその勢いを示している。党首の「三発殴られCM」で起死回生の前進を遂げた自由党にも落選はしたが新潟の菊田真紀子のような注目株がいる。党首は情けなさを見せた民主党だが栃木一区の「失楽園候補」をパラシュート降下的立候補で破った水島広子の勝利はこの党の未来を予感させるすがすがしいものといえるだろう。
それにひきかえ共産党は・・・? 決して色眼鏡でみるわけではないが、減りはしたが新人当選者もいるのにマスコミの注目は集まらないようである。それは共産党の新人当選者が「党への注文」はもちろん、不破さん、志位さんと違うことなんか言うはずもないって分かっているからでしょうね。(民主集中制のもとでは当たり前なんですよね)でもこれでいいんでしょうかね? やっぱり個人の顔が見えないんですよね。国民は政治って大多数は個人の「顔」を通して興味を持つんじゃあないでしょうか。もちろんマスコミには各党公平に取材はする責任はあると思うけど、でもそんな興味もないってのがここ一週間のマスコミの共産党への反応のようである。これはもはや致命的な危機だと私は思うが党内にはそのような意識はあるのだろうか・・・?
話は変わるが昨日(5日)のニュースステーションに田中真紀子でていたけど、彼女の「語り口」思わず引き込まれる圧倒的魅力ありますよね。私は正直そう思いました。彼女の政治姿勢には疑問は当然あるが大衆政治家の語り口としては確かに他の追随は許さないものがあることは認めざるを得ない。農村のおばちゃんが集まるわけですよね。話ししたら面白いって絶対思いますよ。(因みに彼女は若いころ演劇を勉強し発声法も力強いものであり、新潟弁の使い方、話の合間のつかみも計算ずくである。父親はどうしても野卑で感情的な演説術であったが、その辺もうまく心得た、人の心に入り込むつぼを知ってる演説術の使い手と私は評価する。)決して共産党の議員、候補者だけではないが人を引き込むだけの「語り口」のない人って国民の支持は得られないでしょう。そしてそういう候補者のいる政党も必然的に支持は集まらないように思うのですが・・・。田中真紀子の「語り口」って本来共産党の議員、候補者が身につけるべき「語り口」だと思うんだけど、不破さん、志位さんと違うことは言わないんなら「語り口」なんて必要ないし、行っても面白くないからマスコミも取材に行かないんだなって思わざるを得なかったこの一週間でした。