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一般投稿欄

「さざ波通信」号外第5号を読んで
――国民のための政治実現には多数派戦略が必要だ――

2000/8/28 takeichi

1、衆院選で、与党3党は得票率で過半数割れを起こしたが、議席では安定過半数を制した。「さざ波通信」では、この理由を小選挙区制としているが、一票の格差、そして与党選挙共闘に言及しなければならない。特に、今次、衆院選では、小選挙区制(とそのバーターでの比例区)のもとでの選挙共闘は大きな意味を持っている。その理由を以下に述べる。

2、共産党は明白な敗北と「さざ波通信」では総括しているが、なぜか。基本的に、無党派浮動票が、民主党と、市民派の台頭で復元しつつある(?)社民党へと流れたと分析することができるが、その理由を共産党の右傾化に求めるのは的を射ているだろうか? 共産党が右傾化?しなかったなら、もっと勝てたか? 私にはそうは思えない。問題をこう立ててはいけないか。反自公保の声がもっと大きくなり(投票率のアップなどを通じて)巨大な票に結びつくような状況ではない時に、もし、共産党(や社民党)が、先回の参議院選挙なみに得票していたなら、民主党はここまで得票と議席を伸ばすことができたであろうか。国民の知恵がここにあるのではないのか。
 私は、(新社会党員であるが)党の中で、小選挙区では反自公保の民主・社民・共産の中からもっとも当選に近い候補者への投票を呼びかけるべきと訴えた。小選挙区と一票の格差、そして与党の選挙共闘下では、必要な思考であったと思っている。大阪で、辻本さんは、「反自公保で、当選に近いのは辻本。自公保NO!は辻本へ」という訴えをしたと報じられた。この視点こそ、必要なのではないだろうか。*なぜ、自由党は含まないかは、今は十分説明できない。
 私が共産党を批判するとしたら、むしろ、(共産党の勝利の目のない小選挙区において)もっと民主党や社民党を勝たせるべきではなかったか、という点にある。

3、革新の大義と多数派戦略を離反させる必要はない。今、国民が求めているのは、言葉ではなく実体である。しかも、謀略びらが一定成功したように、共産主義や社会主義への怯えや不信感も根強い。その間を揺れ動いている。実際に変えることができる戦略で、しかも国民の政治的進化にふさわしい穏やかな(一部誤った)変化、これで多数派の可能性が芽生えるなら、断固として促進すべきであろう。自らの独自の主張を磨きつつ実行する多数派戦略こそ、現代社会における民主主義派の共通の戦略であるべきである。変化を!国民とともに!
 この戦略を採用しない勢力は、セクト主義と批判せねばならない。各政党に求められるのは、どこに多数派の線を引くのか、の政治であろう。

4、最後に大衆運動の強化という課題について述べる。大衆運動の重要性は、誰もが?認めるところであろう。しかし、これが、今、難しい。どの勢力も、大衆運動を広げたいが、実行できていないように見える。成功しているのは、新興宗教くらいのものなのか。選挙に重心を置くのも、現代風の大衆運動と言ってはいけないか。「さざ波通信」が驚嘆してみせる創価学会もある意味で、「選挙中心」の大衆運動と言えなくもない。
 しかし、なぜ、大衆運動が必要なのか。それは、民主主義を形式だけのものとせず、自ら参加し、発言行動し、社会と周囲を変革し、自ら変化・成長するためであろう。そのような大衆運動を、現代において、どのように創造するのか、できるのかは、共産党執行部だけでなく、「さざ波通信」や新社会党も含めたすべての民主主義派(?と言っていいよね)の課題である。大衆運動軽視などという批判だけでは済まされないのである。

 新社会党都本部と中央本部に送った意見書を下敷きに述べさせていただいた。

 尚、最後に、自・公・創価学会によって配布された「謀略びら」は、軽視してはならない。新社会党や社民党や民主党が沈黙しているのは、恥ずべきことである。その殆どは、発行元さえ明らかにされず(無責任に)大量に配布された。決して許さず、風化させず、徹底的に追及すべきである。 党外から、私も追及協力したい。