共産党から「規約改定」が発表されて以来このサイトでは現共産党中央の現状肯定路線=右傾化、あるいは右転落路線として非難する発言があいついでいるし、今度こそは「声をあげる!」、「声をあげよう!」という決意表明、あるいはよびかけさえもおこなわれている。しかし先日の中央委員会総会では全会一致でこの「規約改定」案は支持されたのである。つまり中央委員は誰一人として反対も保留もしなかったのである。もちろん全国に反対の党員や疑問を持っている党員も多数いるだろう。これから全国の支部、地区、県単位で議案は討議され大会代議委員が選出されるだろうが果たして支部、地区、県を勝ちぬいて来れる「反対派」代議員はいるのだろうか? おそらく大会までたどり着ける「反対派」は一人もいないだろう。ならば反対派の方々はどうやって「声をあげる」のだろうか・・・? もちろん各レベルの会議で「反対」を表明することは「可能」だろう。しかしそれで「代議員」になれる訳ではない。
限定的な紙上討論も行なわれるらしいがどうせ「批判」キャンペーンが中央勤務員などを動員して行なわれるのは間違いない。もちろん反対派が連絡を取り合えば「分派」になるし、外部で意見を発表すれば即「除名」の対象にされるだろう。八方塞がりではないか。
つまりこの問題は事実上決着がついているのである。あとは「党大会」まで「党中央案の追認」のためのセレモニーが繰り広げられるだけなのだ。私はここに「共産党の悲劇」があると考える。つまりこの党には一般に言う「議論」という概念がないのである。いや長い年月をかけて民主的議論の習慣を捨て去って来た集団なのだ。民主主義のあり方を表した表現に「私は君の意見には反対だ。しかし君の発言権は命をかけて守ろう」というのがある。反対派、少数派の発言権を守ってこなかったのがこの党の歴史、体質なのである。この「八方塞がり」体制を作ってきた責任は今回の「反対派」の方々も含めて現在の党員すべてにあると私は考える。(もちろんこのような「体制」を主導的に作った宮本顕治以下現不破執行部の責任は一般党員よりは大きいであろうが・・・)
外部から今回の問題を見ている者として言わせてもらえば「現不破執行部」と「反対派」の距離はもはや同じ党に包含されるものとは思えないほど離れているように思われる。その点でも私にはすでに決着はついているように思えるのだが・・・。無責任に言わせてもらえば「正統共産党」争いが「ルール無きリング」で行なわれるとしたら「民主集中制」という「凶器」でずたずたにされる「反対派」の血みどろの姿が見えるのである。このような事態は避け得ないのだろうか。避け得るとしたらなにから始めればいいのだろうか・・・? 私にはその答えは見えない。