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国鉄問題への見解

2000/10/9 地域経済分科会、20代、サラリーマン(連合組合員)

 こんばんは。
 「保守」の地域経済分科会です。
 今回は「国鉄問題」について、「国労争議」から少し離れて、自民党の「経営責任」を中心に愚考して行きたいと存じます。

1.国鉄の債務問題の原因――需給無視の無謀な交通行政のつけ
 国鉄の赤字は、結局、交通システム全体としての「供給過剰」と、「理念無き交通政策」に帰着します。
 もちろん、国鉄職員の対応は昔は愛想があまりよくなかったのは子供心にも覚えています。
 しかし、それにしても根本原因は、交通市場での「供給過剰」を作り出した政府(運輸・建設省、自民党)にあります。
 あんなに高速道路や高規格の道路を建設し、マイカー社会を推進する一方で、「我田引鉄」も行わせる。
 これで、国鉄が赤字にならないほうがどうかしています。いや高速道路のほうも赤字が溜まる一方。本四公団などは事実上民間なら倒産してます。
 実は、自動車は、下は税金で賄われている。だから競争条件を同じにするには国鉄も下(線路)は国で保障すると言う「上下分離方式)をやってもよかったのです。
 また地方交通への理念も欠いていた。「ナショナルミニマム」を保障するなら税金投入、とくに線路などの設備部分への保障は国が行うくらいの理念がほしかった。
 それとともに都市部ではマイカー依存を改めさせる施策をもっと強力に進めるべきでした。

2.国鉄改革は一大ペテン
 国鉄改革で、日本国民は国鉄と言う資産をそっくり「市場」へ差し出したのです。
 しかしそれでも今になって「国民負担」だと言われる。
 原因は、国鉄の土地の売却の時機を逸した事にありました。
 政府はマスコミに「今土地を売ったら、地価高騰がひどくなる」と言わせました。そうして、土地をうらなかった。で、結局土地は今企業に比較にならないほどの安値で売られています。
 あの時売っていれば、土地の供給が増加し地価はむしろ下がって庶民も楽になったはずです。バブルも少しは緩和され、銀行の危機も少しはましだったはずです。
 おそらく考えられるからくりとしては、自民党の政治家が土地を安く関係企業に売るのと引き換えに、なんらかの便宜を受ける、そういうことだったのではないか、と愚考致します。でなければ、あんな非合理な行動は取るわけがありません。

3.国労問題は、政治責任
 国労問題は、政治責任です。国鉄の赤字も、道路公団の借金も、地価高騰も全て自民党の責任、それも中曽根総理及び当時の竹下蔵相、橋本運輸大臣らの責任が大きい。国労問題はその氷山の一角に過ぎない。
  大きな新自由主義の弱者切り捨て政策、またそれまでの自民党政治の無責任さとあいまったて発生した諸問題の中で、国鉄の労働者が切り捨てられていった。国民のスケープゴートとして、また政治責任を隠蔽する煙幕として。
 「4党合意」受け入れ云々以前に、政治家、官僚の「経営責任」を徹底追求すべきです。
 でないともう道路公団あたりが「第2の国鉄」になります。もちろん、地方の交通機関も含めて危ない。
 そうなったら、その結果は、規制緩和や行革による地方の交通機関の切捨てと言う形で、形で庶民、とくにいわゆる交通弱者や離島や山村の人々にしわ寄せされて行きます。
 それは将来的には交通だけでなく、福祉、街作り、環境など幅広い分野に広がって行くでしょう。
 そうならないためにも責任を徹底追求し平行して利権に囚われず、21世紀のあるべき交通政策、街作りを考えて行かねばなりません。