イタリアの共産党は、ご案内のとおり、左翼民主党と改名し、左派は分離して、共産主義再建党となりました。左翼民主党は、その後中道左派と選挙協力し、政権を勝ち取ったり、別れたはずの共産主義再建党と連携したりと、自由自在の動きを見せています。
不破さんが目指す所は、あきらかに、そういう道筋であると私には思えてなりません。令兄の上田氏の著作の傾向や動きから見ても裏付けられる事です。
私のような一般人から見て、日本の共産党は長い間、独自の哲学と現状分析力をもちながら、決して自分の手は汚そうとしない、いまいち存在感に欠ける政党でした。不破さん自身、そういうことに飽き飽きしているのではないでしょうか。現在のありようは、率直に申し上げて、現場の党員の長い間の血の滲むような努力にもかかわらず、政治活動と言うより、宗教に近いのではないでしょうか。
私は、国会における、自公保のやりたい放題の国民不在の状況を作り出している責任の一端は、長い事「連立政権構想」を、ただの絵に書いた餅にし続けてきた、日本共産党にあると思っています。
先の大戦に関して、「日本共産党の戦争責任」に言及した丸山真男の顰に倣えば、前衛政党は政治の現状・結果に対し、それに相応しい、高度の責任があるはずであるという事を、誇りを持って、思い起こして頂きたいと、衷心より考える次第です。