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「使用しないための手段、使用できないようにする条件」をこそ提示せよ

2000/11/21 喜多蒼生

 「使用しうる手段を、使用できる範囲で生かす」と言いますが、これはこの間に出された批判にきちん応えたものにはなっていません。とりあえず

  1. 一体、現在の自衛隊に「使用しうる手段」があるのか。「使用できる範囲で生かす」条件があるのか。これが「自衛隊の本質をリアルに直視し」た上での判断なのか。
  2. 日米安保条約を廃棄していない段階(言うところの第二段階以前)での「万が一の事態」とは、安保条約第五条でいう”共同防衛”事態ではないのか。63年の三矢作戦計画以来の日米両軍共同作戦態勢にもかかわらず、自衛隊だけについて「使用しうる手段を、使用できる範囲で生かす」などと言うことのどこが一体リアルな認識なのか。
  3. 憲法9条の戦力不保持規定、交戦権否定規定、武力の行使・威嚇の禁止規定に抵触することなく、どうやって自衛隊の「使用しうる手段を、使用できる範囲で生かす」のか。それとも、公然と憲法を蹂躙するのか。
  4. 「使用しうる手段を、使用できる範囲で生かす」こと、つまり国内で戦力=武力行使=戦闘軍事行動が、「万が一の事態」において「国民の安全に責任を負う」ことになると言うのか?

 本当に、「憲法9条の完全実施を国民合意で段階的にすすめる」のだというのなら、「万が一の事態」においても「その時点において存在する」自衛隊を<使用しないための手段>と、<使用できないようにするための条件>をどうやって作り出すかを明らかにすることこそが、人々の「安全に責任を負う」ことというべきです。