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一般投稿欄

批判論展開の代議員に連帯

2000/11/23 大塩平七郎、50代、会社員

 日本共産党第22回大会2日目(21日)の討論で、自衛隊活用論批判をおこなった東京都の代議員に敬意を表し、その決然たる勇気に連帯の意をお伝えしたいと思います。
 先に、緒方靖夫氏の「侵略不存在証明不可能論」を本欄に紹介し、これを越える自衛隊容認合理化論が党大会で出現することを楽しみにしていました。しかし期待は裏切られたようです。
 新聞報道によれば、20日、大会決議案報告において、志位和夫氏は「(自衛隊の即時廃止に固執すれば)日米安全保障条約廃棄を掲げる政権であっても、わが党はいかなる連立政権にも参加してはならないことになる。そうした硬直的な態度をとるなら、逆に憲法九条の完全実施を遠ざけることになる」と説明したそうです。
 自衛隊活用論=自衛隊容認論を批判する見解を、おしなべて自衛隊即時廃止論者に擬し、これを「硬直的な態度」なる悪罵で切って捨てる「論法」で、批判したつもりになっている志位氏の理論水準は驚愕ものです。志位氏が勝手に作りなした幻の決議案批判論を、都合よく「批判」して見せても、誰もその詐術には乗らないでしょう。志位氏の提起する理論と政策に付き従う限り、九条の完全実施が永久に来ないことは確実です。
 加えて、21日に出された批判論に対して、上田耕一郎氏はご丁寧な答弁で「中立日本への外部からの侵略はありえないと言っているだけでは済まない。決議案は責任ある政党として当然の態度だ」と答えたとの報道です。
 「中立日本」以前に、現在唯今の時点での自衛隊活用論を展開している党指導部のご当人が、これほど間の抜けた答弁をするとはどうしたことでしょう。批判論者が、「侵略はありえない」とだけ図式的に主張しているかのように戯画化するところも、これまた、志位氏同様、見え透いた論法です。 真実の探求のため、党員からの真摯な問題提起に応えるのが本来であるべきところで、このような論法を弄する彼らには、誠実さのカケラも備わっていないようです。「侵略はありえないと言っているだけでは無責任だ」というのが、結局、緒方氏同様、練りに練った幹部諸侯の最大の論拠ということでしょう。
 この論法に依拠しつつ、「『この手段は使うが、あの手段は使わない』というのでなく、どんな手段をつくしてでも国民の生命と財産を守ることが、日本共産党の政策の最大の基準となります」(『前衛』12月号松竹伸幸論文)というのが、幹部諸侯の九条理解なのでしょう。すなわち彼らは、「九条は守らない」と天下に公言しているのです。
 「国家自衛権」に固執する彼らは、日本国憲法の謳う「平和的生存権」を理解できず、無責任にも、国民を軍事力有効論の暴力に曝そうとしているといわなければなりません。「責任」を口にする上田氏は、12回大会での氏の明晰な論理・政策提起と180度反対側にあるこの日の答弁の責任をどう取ろうというのでしょうか。「責任」を口にするなら、まず、昨年の国旗・国歌法制化の露払いを演じた不破氏の政治責任追及こそ必要でしょう。 かくも無責任な幹部に、国民のだれも、「責任」ある職務など付託しないことは<当然です>。