市川氏の問題について、いくつか感想を述べます。
第1は、「前衛」さんのいわれるような、訴願委員会に意見を提出してもやはり期待できないでしょう。もし、明確な回答があるなら、結局、その内容を公開しなければなりません。質問した人にしか答えないというわけにはいかないでしょう。やはり、赤旗以上の情報を期待するのは難しいと思います。
第2は、不倫(だったとしたら)が除名にあたるかという問題です。しかし、一般の末端党員であれば、不倫などはそれほどめずらしいことではありません。民主団体でも同じ職員どうしが不倫関係にある場合もあります。しかし、除名になることはないでしょう。もっといえば、強姦未遂のような事件を起こした場合でも、支部によっては除名になることはありません。極論すれば、殺人を犯したとしても、それを反省すれば党員でいることは可能です。そこで問題となるのは、幹部のモラルということになるでしょう。
幹部の場合、他人の自転車を駅まで乗っていった場合、除名になります。「幹部のモラルー行為の内容-処分の仕方・レベル」は、具体的ケースを通じて、具体的に話し合うことでしか解決できないわけですが、末端党員に比して処分が厳しくなるのは当然でしょう。
この場合、情報公開をどこまで行なうのかという問題が発生します。「関係者への配慮」という場合、関係者が幹部であれば全ての情報を公開すべきです。例えば、幹部どうしが不倫している場合です。しかし、不倫相手が市民や末端党員の場合、どうでしょうか。やはり、相手の名を伏せたうえで、公開すべきでしょう。「関係者」のなかに幹部・本人自身を含めるのは、問題があると思います。なぜなら、具体的ケースを具体的に話あうことでしか除名という判断はくだせないはずですが、非公開のまま除名処分が横行するような事態になれば、憶測だけが飛び交い、党内に歯止めが利かなくなる可能性も考えられるからです。ある程度の情報公開は、幹部であれば仕方のない話だと思います。
最後に、除名の際にはよくある話で、「市川氏は反論しなかった」という論理です。反論しなかったから、認めたということにはなりません。他に理由があり、反論しなかった、あるいはできなかったかもしれません。あるいは、反論したにもかかわらず、「そんなものは言い訳だ」として、党が勝手に反論しなかったことにして、除名したのかもしれません。こんな憶測も情報公開を行なえば、ある程度解決されるでしょう。