社会主義の基本の基本は愛だと思う。マルクスだって、産業革命の中で、いたいけない六歳の子供がマッチ工場で働いている姿を放置しておけないという気持ちが共産主義の理論を打ち立てたのだと思う。
愛について考えたい。愛とは、知ると言う事である。知ると言う事無しには、愛する事は、出来ないのだ。
人は、みずからをもっとも愛す。自分が一番よくわかる存在だからである。次に、子供とか、両親を愛す。自分の次によく解った存在である。次に、夫は、これは、理解できない面が半分位あって、愛したいが、愛せない場合もある。もし、全部理解できれば、当然もっとも愛せる存在となる。
次に、友とか、同士、隣人と、理解できる人から愛して行く。だから、愛情の深い人と言うのは、理解の深い人と言う事になる。
今の世の中は、グローバルな情報が手じかにはいるようになって、世界中の人の事がかなり解るようになった。お互いが理解できるようになれば、争いも減っていく。殊に自分と反対の立場にいる人のことを深く理解しなければいけないと思う。
今、自分を一番苦しめている存在をただ憎んでいるだけでは、問題の解決にはならない。相手の矛盾を解き明かす事が重要である。
それが、資本論でもあり、イエス・キリストの〈汝の敵を愛せ〉という言葉でもあったと思う。