とても丁寧に答えていただき、ありがとうございました。踏込んで仰って頂いたので、「決議でいわれたこと」をよく理解することができました。私も軽率に決議・報告を読んで誤解していたところがありました。
さて、結局「野党連合政権下」での自衛隊の活用については、どうなるのでしょうか? 大方の論者の論旨も、この政権での自衛隊の「活用」に関してではないかと思います。 私の理解では、有事立法など「自衛隊の役割と行動を拡大するための」「新規立法」(志位報告より)を行わない限り政権に参加しうる、という立場が確立されたことになります。当然、実際に自衛隊の出動=安保は存続し今のままの体質の自衛隊が=が政権与党間の協議にかけられる場合も想定可能で、賛成する場合もあることになります。
確かに、憲法9条の完全実施は相当先の段階になるのですね。「前衛」さんの議論の趣旨が、とてもクリアに分かりました。
共産党のこの政策は、現実政治(=各政党ともせいぜい10年先くらいしか念頭においていないような)で果たす機能としては、やはり社会党の違憲合法論(「右転換」時代)と似ています。時間軸をずっとさきに伸ばすことで、論理的には違憲論を譲らないという方法を発見した訳です。それでも「閣僚の憲法を守る義務」との関係で、「違憲論」のまま政権参加可能か? という疑問には、共産党中央は十分答えていないとおもいます。「さざ波」や、大会前の党内の意見で出された疑問ですね。社会党も結局はこの問題で「合憲論」を打ち出したのです。共産党も、新たな政策を打ち出すか、この問題をクリアする説得的なロジックを考え出さない限り、「閣外協力」しかできないよう思います。
「前衛」さんの明快な議論は楽しみです。なお、ときどき「文字化け」しているのがとても残念です。長い段落を作らず数行ぐらいで改行すると文字化けしないので、是非お験し下さい。
所で、話は全く変わってしまいますが、かねがね疑問に思っていたことを(ついでに)お聞きしてよろしいでしょうか? 日本共産党は「50年問題」当時の、非合法・「武装」活動について、これまでに「迷惑をかけた相手、一般市民、法秩序そのもの」に対して「謝罪」したことがあるのでしょうか?
内輪向けの反省・謝罪・総括は相当行なわれ、同じことが繰り返されるとは誰も思っていないでしょう。それとは別に、外に対する明確な謝罪が不可欠ですが、実際はどうなのでしょうか? そのためには「事実」が具体的に・十分に明らかにされなければなりませんが。 共産党にとっては「思い出すのもイヤ」でしょうが、「あれは、ほかの人のやったこと」と言っているみたいな印象を受けるのです。日本は終戦時に天皇の責任を含めて戦争や植民地支配の責任を曖昧にし、「2度と繰り返しません」とだけ言ってきました。結果、朝鮮半島の問題など当然解決されるべき諸問題が積み残された他、支配層や国民のなかに一種の倫理的崩壊<無責任>を生む原因にもなったと、しばしば指摘されます。同じ構造が、6全協以降の日本共産党についても、指摘できるのではないでしょうか。「2度と繰り返さない」では足りないものが歴然として存在し、そこから逃げることによっては倫理的堕落が帰結するしかないのです。事実の積極的解明と謝罪によってしか倫理的立場は回復されません。この倫理的堕落が、共産党の路線・政策転換時にいつもつきまとう曖昧さに表現されていませんか? 高橋彦博氏のいう「フェードアウト手法」です。「抵抗者の党」としては問われなくても済むような倫理問題も、「統治の党」としては重要になることもあるでしょう。
ただ、もし真剣な謝罪が行なわれているのに、私が知らないで誤解しているだけだったら申し訳ないので、(丁寧に、理性的に答えて頂けそうな)「前衛」さんに、お伺いしてみたいのです。