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一般投稿欄

党員用討論欄への介入

2001/1/13 前衛、40代

 党員用の討論欄で、市川正一元常任幹部会員(書記局次長)の除名について、「一般市民」さん、及び「地方議員」さんが疑問を提示している。私は、このような議論が「党員用の討論欄」で行われていることに根本的疑問をもつ(実際に党員かどうかはいずれにしても不明であるが)。結論から言って、党員であり、今回の市川氏の除名に反対であるなら、訴願委員会などの「党内民主主義」(異論はあろうが)の手段があるので、これを活用することが前提であろう。また、いかなる機関への質問も許されているハズである。私だったら、民主主義的権利を活用しないで、「党外」であれこれ憶測を述べることはしない。一般論として「さざなみ通信」で見解を述べることは自由であろうが、今回の意見は、個別具体的な内容について述べているからである。
 ところで、両氏とも「具体的なことはなにも知りません」と述べている。まさに驚きである。しかし、展開されている議論は、「市川氏の除名問題」であり、市川氏が党内で争いもしなかった問題なのである。
 もし、今回の除名を問題にするのであれば、①5月に除名されているにも拘わらず、マスコミへの質問への回答として発表された経緯が、党内民主主義に反する。②発表されている事実に照らして「除名」という処分は重すぎる。などという論点であるのならそれなりに理解ができるのだが、そうでもないらしい。
 「地方議員」さんの投稿は、「れば、たら」「もし」の連続であるが、資本主義における婚姻の階級的な「本質」や、天皇制下で形成された「戸籍制度」にも言及し、「戸籍制度による婚姻の法律に反したからという処分であるなら、天皇制に屈したとも言えるわけです」と述べている。
 いずれの議論も極めて不正確であり、科学的社会主義の到達点から見て、「論外」である。「戸籍」という制度は、欧米では見られない制度であるが、アジアでは中国などでも制度化された歴史を持っている。天皇制と直接結合するのは無理であろう(もちろん、合理的な制度というつもりはない)。
 資本主義における婚姻は、エンゲルス『起源』などで展開されているように、本来の愛情に基づく「一夫一婦制」と実質的に異なるのは、言われるまでもない。私自身、形式に捕らわれない「事実婚」や「未婚の母」などを含め、愛情を基礎にした「自由な婚姻」形態を否定するものではない。しかし、現在の日本の於いても「内縁の妻」が一定の法的・経済的な保護も受けられるように、法治国家の下では、「正妻」でなくても「法的」つまり制度的に保障される必要があるわけである。なんの権利も義務もない「自由な」、つまり、社会関係からドロップアウトした人間関係として「正妻以外の形態」があるわけではない。
 さて、今回の市川氏の除名問題は、こういう「愛情」の表現形式の問題であるとか、或は、形式的な「妻」から、真の愛情に基づく他の女性との事実上の「婚姻」「同棲」への移行と言った問題であり、党が介入すべからざる「プライバシー」(企業は「営業の秘密」と言う)問題なのか。結論から言って、もし市川氏がこれまでの妻と離婚をして、正式にその「不倫」相手の女性を結婚する、或は、「同棲」するという社会的な「ケジメ」をつけていれば、「除名」という処分にはならなかったと推測する。
 まあ、イスラムのように4人までの妻を「平等」に愛することを「社会的」に「保障」している社会もあるが、「一夫一婦制度」を人類の将来における「真の愛情に基づいた婚姻制度」と見ている「科学的社会主義」の立場から言えば(チョッと、教条的だが、異論があれば示して欲しい)、これは「例外」であり、日本において議論の対象にならない問題と理解する。
 『週刊新潮』も一応立ち読みをしたが(アホらしくて買う気になれなかった)、相手の女性が党本部で上田副委員長と会っているという記事が目にとまった(党員であれば、この事実関係を党中央に聞くことができる筈である)。相手の女性が、党本部まで「抗議」しにきているような関係が、市川氏と相手の女性の「関係」なのである(記事が事実であれば…事実っぽいと見るので、私はこの記事を参照しているのであるが)。当の市川氏は現在、引退して議員年金(多分)で、正妻とともに生活をしているのである(市川氏の正妻は、女性活動家ならかなり多くの人間が知っている人物であろうが)。
 こういう事態が、党の常任幹部会員の時代に惹起されていて、なんの「おとがめ」も無いような程度のモラルの党であれば、100%の「女性の敵」であり、自民党やクリントンなどと同様に「下半身はプライバシー」という何でもOKの政党として、国民に認知されるであろう。
 私自身は、現在の共産党の行く末・「右傾化」を心配し、真に労働者階級の党であることによって、「国民の党」と呼びうるような党への発展を期待しているが、今回の「除名」が「右傾化」の具体的な現れとというような議論は、あいた口が塞がらない。
 「党員討論欄」で、議論を展開するのなら、もう少し、まともな議論をしたらどうか。私自身は、今回、共産党が「除名」をおこなったことに危惧をするより、むしろ、こういうレベルの低い問題で「除名」されるような「幹部」がいることに危惧をもつものである。もう、こんな問題をここで議論するのは、止めにして欲しいものである(かえって、活性化するか?<笑い)。