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おう氏に賛成

2001/1/14 KM生、40代、公務員

 1月2日付本サイトのおう氏のトロツキー論に全面賛成である。スターリン否定後のトロツキー見直しと共に、「トロツキーこそレーニンの後継者」とする論が出現した。これによれば「レーニン主義は絶対的に正しくスターリンがこれを歪めたのであり、トロツキーが継承していれば社会主義は正当に発展した」となる。しかし内戦下とはいえレーニン時代にも多数の処刑や強制収容所送りは開始されていたのであり、又幹部の特権も既に見られるようになっていた(アイノ・クーシネン「革命の堕天使たち」平凡社刊による)。「レーニンの中にスターリンを生出す要素が全くなかった」などというのは、非歴史的見方である。むしろレーニンの中にあった否定的要素がスターリンになって拡大爆発したというべきであろう。内戦時代の言動から見てもトロツキーもスターリンに五十歩百歩の殺人鬼だったのであり、たとえトロツキーがレーニンを後継していたところで二十世紀人類史に一大屠殺史が描かれたことは間違いないのである。
 不破議長のように自らの政策をレーニン全集の該当個所を引合いに出して正当化するような態度はもう辞めるべきである(私は議長は理論家などではなく単なるマルクス・レーニン全集の生字引的文献引用手技者であると思っている)。それよりもむしろ二十世紀の生きた人類史の中からこそ学んでいくべきである。旧社会主義国において農業集団化によって何千万人もの人民が餓死していったことを忘れてはならない。処刑場ないしは収容所で殺された何千万人もの人達を忘れてはならない。「スターリンの過ちがなければこんなことにはならなかった」などというのは、これらの死者に対する冒涜である。「21世紀に二度とこのようなことを繰返さない為に何をなすべきか」我々は模索していかなければならない。それこそが「理想社会」の看板の裏で消されていった億単位の人々の英霊に真に報いる道である。現今の北朝鮮食糧支援問題を論ずる場合でも、「飢餓をもたらした真の原因は金日成、金正日父子の農業政策の失敗にある」というところから出発すべきなのである。