いつ頃からかは判明しないが、町内会(自治会)、PТAを始め労働組合などの団体活動においても、大会(総会)への実際の参加者が激減している状態のように思える。やっと委任状という形式によって大会が成立している現状が多数。実際には過半数の構成員が大会に参加しないという「間接民主主義の悪しき習慣」がこの国の民主主義を歪めてしまっていると言っても過言ではない。
このことはもっとも戦闘的な組織である筈の「日本共産党」にも影響を与えている。もっとも基本である支部会議(支部総会)の中身でさえ形骸化させているのではないか。支部会議は党員が組織の構成員として必要な力量を獲得する場のひとつでもあるだろう。党員はあらゆる場で活動し、いはば党を下支えしている最前線の戦士である。しかし、定期に開かれる支部会議の全員参加はおぼつかず、3分の2の出席者さえ危ぶまれている支部も多いと聞く。まぁ何とか開かれる支部会議も「上からの指令(指示)」にとられる時間が多く、ひとりひとりの最前線の戦士を育てるゆとりもないらしい。構成員の自由な意見や考えをみんなで話し合う雰囲気や習慣が形成されることは困難になるだろう。だとしたらこのような状態の中で醸成される構成員気質は、おのずと自分の頭で考えようとする戦士よりか、まぁ「段取り屋」的構成員かたぎ(気質)の者がふえるのも仕方あるまい。
「査問」のような非人間的な措置、扱いにもっとも敏感な筈の「日本共産党党員」の多くが口をつむぎ、何らの声を上げない不思議はこうして上からの一方通行情報にからめとられた危ない気質にひとつの要因を見出すことが可能である。
最近、「さざ波」への投稿が理由となって除籍があったらしい。除籍された彼は、実のところ「もっとも勇気ある勇敢な党員」かも知れない。「もっとも共産主義者らしいタイプの人間のひとり」かも知れないのだ。もし、「党防衛」の名のもとにこうした「間接民主主義を悪用した悪魔的行為」即ちもっとも善意のない、ゆがみの増長の刻印=民主集中制の究極的表現のあらわれに我は恐怖する。
構成員の善意を中央が踏みにじって恥じない体質、オカルト的心情に蝕まれて構成員の誰も気がつかない不幸な状況、結局、やがてこうした団体は「ネット時代」に確実に取り残されてゆくだろう。