U氏が昨年他界したことは知っている。U氏を偲ぶ会などと称する葉書が私のところにもきた。弟子が集まりU氏の思い出を語るというものだ。
U氏のあとは、R大学非常勤講師のM氏がクラブの面倒をみている。M氏は、それほど人格的には問題はないが、やはり共産党員といったところか、自分の頭で考える力はやはりない。
この連中は、U派の仲間同志で論文を引用しあい、権威を高める運動を行なっている。U氏編『現代資本主義を見る目』などというくだらない本があるが、U派の連中は、この本のなかにあるU氏の独占論に依拠して論文を書いている。「私は、U氏の独占概念に依拠している」、などと前後の脈絡もないのに、注釈で平気で権威を高めることに労を費やしている。
U氏はU氏で、見田氏はこういった式の、共産党指導部と同じ発想で論文を量産してきた。マルクスなど個人崇拝の強い民青同盟員や共産党員が、科学的社会主義を発展させた見田氏の弟子のU氏を前にして、崇拝の念を強めることはある意味で必然かもしれない。
U派は共産党内部の分派組織であるが、その構造は日本共産党と類似性を持つ。やはり、なんといっても共産党の中から生れてきたのだ。
「対他関係」など意味不明な用語を撒き散らさず、人間の言葉で語れるようになってほしいものである。哲学の道でも散歩してきたらどうだろうか。