資本主義を大衆化するためには、資本主義に対する人々の意識変革を必要とします。
意識変革の第一歩として、不労所得に対する考え方の変革です。不労所得は正当な報酬であるという意識を持つべきです。不労所得はリスクテイクしたことによる正当なる所得という意識を持つべきなのです。
通常、所得を得るには労働しなければなりません。「労働力を提供することにより賃金を得る」これは当たり前のことです。しかし、これだけでは人々の生活が成り立たない状況になっています。この傾向は今後さらに加速していき、誰もが不労所得の必要性と重要性を見とめる局面が到来します。このことは日本の来るべき超高齢化社会を考慮すれば理解できることなのです。
通常の賃金労働のみにより所得が得られる社会という考え方だけでは、とうていこれからの国民を養うことは不可能なのです。賃金労働による報酬と投資行為による報酬が得られる社会へと変革されなければなりません。労働者は労働力を提供し報酬を得たなら、その報酬の一部を蓄積し投資行為に振り向ける、または、報酬の一部を継続的に投資行為に振り向けるのです。つまり、労働投資家の時代です。労働者であると同時に投資家でもある。このような労働投資家の出現は資本主義の大衆化をもたらし、大衆資本主義の時代が到来するのです。大衆化された資本主義は労働投資家に賃金とリスクテイクによる正当な果実をもたらすでしょう。到来する超高齢化時代においては、誰もがインベスターであり、インベストメントが必要となる社会なのです。不特定多数の労働者が賃金の一部を出資し、これをファンドとして運用していく。このファンドは共有財産であり、その運用による果実は出資者たる労働者が堂々と享受すればよいのです。