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分派組織はなぜ生まれるか

2001/3/27 サンダーバード、無職

 私は、日本共産党内部に分派組織が存在することを指摘してきた。では、なぜ分派組織は生れるのだろうか。田口・不破論争においても問題とされた点であるが、やはり日本共産党が、資本主義における多様な階層から構成されているという側面が大きいように思われる。不破氏は、真理は一つだという論理で反論し、もし多様な傾向が生まれた場合には、早めに芽を摘む必要があることを強調していた。しかし、U派の芽を摘むことはできなかったのである。
 そもそも、党員は綱領と規約に団結している「ハズ」であるが、実際には、専従や民主団体で働く党員にとっては、生活基盤なのである。学生時代に民青をまじめにやっていれば民主団体に就職できる。組合推薦で就職することも可能である。R大学では、学生自治会での活動が認められた党員は、R大学の職員にもなれる。U派にはいれば、大学の就職にも有利になる。
 要するに、「利益団体」なのである。共産党という存在を出世の手段にしているのである。大学受験に失敗して3流私立に入学し、コンプレックスの塊のような生活を送っているときに、マルクス主義という手段を発見し、出世街道へと邁進するのである。
 このとき、自らの利益を妨害するものは当然、同じ党員である。党員同士の裁判にしても、党員同志の人事権争いにしても、結局、共産党を利益団体として利用するとこから生れるのである。つまり、党内の様々な傾向・分派が生れる背景として、多様な階層に規定された諸個人が共産党の利益配分をめぐって争うことから生れるといえる。