今月号(2001年4月)の『経済』において、U派の代表的(?)論者である西原誠司著『グローバリゼーションと現代の恐慌』に対する書評が、高知短期大学教授関根猪一郎によって行われている。関根氏は、西原について次のように指摘している。
恐慌論の理論の点では、見田石介氏の方法論および久留間鮫造氏の恐慌論に立脚しており、また現代資本主義認識ではU氏の業績をふまえている。
書評にしてはめずらしく「若干の論点」とはいいながら、そのほとんどが批判に終始している。カルト集団の性格を見抜いているのだ。
西原によると、本書全体の課題は、「ヘーゲル主義と実証主義への恐慌論研究の分裂を克服して、理論を現状分析へ媒介することのできる恐慌論の方法を明らかに」することらしい。このカルト集団は、「ヘーゲル主義」を克服することに命を賭けている。学問的には何をいっても構わないが、「ヘーゲル主義の克服」を日本共産党内部の行動分派組織の運動原理にまで高める必要はないのである。
西原の参考文献や注釈をみてもわかるが、U派というのは基本的に経済学部か経営学部にしか存在しない。文学部や理学部にU派はいないのである。また、鹿児島短期大学は、U派の植民地となっているが、U派は比較的暖かい地域に生息していることがわかる(愛媛、松山など)。
これらの大学でもR大学と同様に注意して頂きたい。