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「あおぞら」様への返答

2001/4/16 中村大輔、50代、翻訳業

あおぞら様
 あなたのご見解について私の考えを述べます。

1.あなたの次のお考えにについて

「予研裁判を戦っておられる方々は、予研を「非住宅地」へ移転することを主張しておられました。ところが、日本科学者会議東京支部には「非住宅地」に住んでいる会員もおります。したがって、予研が危険なので非住宅地へ移転せよ、という主張を科学者会議が組織としてすることは不可能です。」

 これについての私の考えは以下のとおりです。
 まず、「日本科学者会議東京支部」には「非住宅地」に住んでいる会員もおります。」と言われておりますが、元来「非住宅地」には人は住めないと考えるのが自然ではないですか。私達たちは何も人が住んでいる「非住宅地」へ予研を移転せよと主張しているのではありません。私達はWHOの指針に従い、少なくとも周辺に(これは周囲何キロメートルか何百メートルかを言っていると思わないでください)人の住んでいない場所に移転することを求めているのです。私達の主張は現在「予研」がある戸山が人口密集地だから反対で、だから過疎地に移転しろなどと主張いているのではありません。少なくとも周囲数キロメートル(数キロとは、病原体が漏洩しても生きたままで住民が吸うことのない距離で、こう言うのは、何百メートルの単位では、病原体や遺伝子組み換えウィルスや裸のDNAは生きたまま人が吸入する危険があるからです。)に人がいない立地条件がバイオ施設には必要です。特に大きな地震が多い日本ではこの点が十分に考慮されなければないません。誰でも、自分が住んでいるところが「過疎地」(あなたの言うように「非住宅地」ではありません。なぜなら、「非住宅地」とは「人が住んでいない、あるいは法律で人が住んではいけない土地」だからです。)だからといって、そこにならバイオ施設を移転してもいい、などと言われたら憤慨します。私達は、そういうことを意っているのではありません。その点を誤解しないでください。

2.あなたの次のお考えにについて

「現に裁判が戦われているときに、実は科学者会議の内部、共産党の内部でも、住民側主張の支持者は多くない、ということが公然と明らかになるのは運動の発展という観点からみて好ましいことだったでしょうか。」

 これについての私の考えは以下のとおりです。
 あなたの言うように、民主的な党派や団体の中に住民側の支持者が多くないことが「公然と明らかになるのは運動の発展という観点からみて好ましい」とは思いません。しかし、問題なのは、なぜ、共産党や科学者会議という、人権と民主主義を守り、不正義(というのは、住民に事前に十分な説明もせずに、機動隊を投入して反対する住民の目前で、建設を強行した厚生省と予研の行為が不正義でなくて何が不正義でしょうか)と闘う組織が住民の事前の同意も得ないで建設を強行した予研と厚生省の非民主的な行動に反対し、この行動を告発し、移転と実験の差し止めを求めて裁判に訴えた芝田進午氏をはじめとする周辺住民の正当な行為を支持しなかったのか。そのことがまず問題であると思いますが、いかがですか。
 それとも、芝田氏は提訴する前に、科学者会議や自分の属している共産党の中央委員会に相談すべきだったとても言うのですか。そうすれば、両組織は全国の会員や党員の意見を聞いてかあるいは検討の結果として芝田進午氏をはじめとする周辺住民の行為を支持することもできたとでも言うのでしょうか。しかし、運動はそんな悠長なことでは発生も発展もしません。人権を侵害されたか、その恐れが実際にあるから住民運動が起こるのです。そのいったん起こった運動がどういう運動かを各団体は評価して、それを支持するなり、態度表明を保留するなりするのです。諫早湾の問題では、発端から利害の相対立する住民がいましたが、予研裁判はそういう場合とは違います。あくまで被害をこうむったか又はその恐れが現実に科学的に十分にありうる住民が国を訴えたのであります。その点の違いを理解してください。

3.あなたの次のお考えにについて

「運動の発展のために裁判をやるのであって、裁判のために運動が制限されるのではないと思います。」

 これについての私の考えは以下のとおりです。
 まず、あなたのこの意見では、裁判は単に運動を発展させる手段に過ぎない、と言うことになりませんか。たしかに、裁判は運動を発展させる手段であります。しかし、裁判を起こすことによってはじめて、単に住民に不統一な反対意見があるだけの状態から明確な方向を持った住民運動が発生することの方が多いのではないでしょうか。また、「裁判のために運動が制限される」とあなたは言いますが、裁判に訴えることによって新たな発展段階を迎えた住民運動を支持しないで、その運動の発展に水をさしたのは、科学者会議と共産党中央ではないか。これが発端当初の予研裁判をめぐる実際の経緯ではないかと思うです。違うと言うのでしたら反論してください。

4.あなたの次のお考えにについて

「裁判では住民側主張はすべて正しく、住民が敗訴すれば不当判決、それ以外のことをいうと個人的な非難中傷さえ受ける、という状況は健全とは思えません。」

 これについての私の考えは以下のとおりです。
 少なくとも、予研裁判とは何かを知っている人であれば、原告の主張をこんなひどく誤解した意見など述べるはずがありません。反論する気にもなりません。一度、「予研裁判の会」のホームページを見てから発言してください。あなたは判決についての原告の人々の見解だけでなく彼らの居たたまれない気持ちが分らないのですか。