4月16日付、待子さんの「浩二さんへ」に関してです。
浩二さんは、日本共産党の悪いところは指摘なさるけど、では、われわれ支持者がどうしたらいいかということを指摘なさらない。それでは困ってしまいます。
こんなこと、私が指摘してどうすんです?
JCP-Watchでは嫌煙家さんに対し、「日本共産党は正直に率直にものを言えば99%変わるでしょう」と書きました。「ソ連・東欧をわれわれは社会主義と考えていた」と、日本共産党は正直に言えばいいと思います。また、そう言わなければならないと思います。下手にご立派な結論だけ言おうとするから、かえって胡散くさくみられるのです。
綱領はなくなるよ
日本共産党がこういう形で「フツウの政党」になることを、私としては歓迎できません。JCP-Watchでも言ってますが、日本共産党は社会主義~共産主義の展望をきちんと示すべきだと思います。不破議長はつねづね、「社会主義~共産主義の青写真は描かない」と言っていますが、社会主義~共産主義は経済システムがガラっと変わるのです。それなのに「青写真は描かない」。これほどわかりにくい話はありません。日本共産党は、いったいいつまで、こういうわかりにくい話を続けるつもりでしょう? しかも、「社会主義~共産主義の青写真は描かない」ことを、「さもちゃんとしたことを言っている」体裁のもとに言っている。こんなどうしようもない姿勢も珍しいと思います。
小泉純一郎が総裁選で「ゴミゼロ社会をめざす」と言っています。そういうご時世なんです。社会主義政権でなくたってゴミゼロ社会をめざし、ディーゼル車を規制することができる。もちろん、日本共産党の政策を某知事等が「パクっている」という現実はあるでしょう。けれど、日本共産党以外の勢力が日本共産党の政策を「パクる」のは、ある意味、「日本共産党以外の勢力は日本共産党の政策をパクる度量がある」とも取れます。いい政策に特許なんかありません。いい政策はどんな勢力が取り入れてもいいのです。おおいにパクれ!!です。そういういい政策を日本共産党が提唱した、このことは日本共産党の誇りでしょう。ただ、そういういい政策は「日本共産党でなければ推進できない」のではありません。ここが重大なところです。
つまり、「日本共産党でなければできないことは何なのか?」です。それはもう、社会主義~共産主義しかないでしょう。だったら青写真を示すべきです。日本改革論を進めるとその先には社会主義~共産主義が来る、社会主義~共産主義はこれこれこういう社会である、これこれこういう経済システムである、今の時点でそういう社会を完全予測などできるはずがない、しかし、これこれこういう条件ができれば経済システムはこういうふうに変わる、それが社会主義であり、その先に共産主義が展望される。
こういう具体的なこと、日本共産党は何も示してないでしょう? それなのに、「資本主義が今のまま続くはずがない、利潤第一主義ではない社会がきっと来る」と日本共産党は言う。では、日本共産党のいう利潤第一主義でない社会でわれわれ庶民は物を買う場合、どう行動するのか? フツウのスーパー、デパート、コンビニはどうなるのか? 物がすべて配給される社会になるのか? 株を個人で売買する、そういう行動はどう評価されることになるのか、そういうことが全然わかりません。要するに日本共産党の展望する社会主義は、具体的にイメージすることが全然できない代物なのです。
日本共産党の展望する社会主義社会を、具体的にイメージできる人、いらっしゃいますか? いたらぜひそのイメージを示していただきたい。JCP-Watchではこういう議論をこれまでさんざんやっています、けれど、「社会主義では毎日のごくフツウの生活がこういうふうに変わる」という具体的なイメージの示されたためしがない。それなのに、理想論としての社会主義~共産主義論はまかり通っている。こんなのお話になりません。だから「日本共産党を筆頭とする日本の左翼はズルズルと負け続けるしかない」のです。
「社会主義は愛」。待子さんはこうおっしゃっています。だったら、「生産手段の社会化を愛をもって実施するとはどういうことですか?」と私はお聞きしたい。レーニンは生産手段の社会化を、暴力でやりました。外国の資本家を国内から追い出し、資本家が所有する生産手段を彼らから剥奪しました。その路線は殺人集団チェーカーの存在と直結していました。持っている物を剥奪される側がおとなしく剥奪されているはずがない。だから殺人集団チェーカーが必要でした。しかし待子さんの社会主義は愛だとおっしゃる。だったら、生産手段の社会化を、どう愛をもって進めるのか、ぜひとも青写真を示していただきたいものです。
わたしは、かって、生活もままならない低賃金で働いていました。60年安保の当時、社会党の人たちは女は嫁に行って亭主にやしなって貰えと言っていました。一緒にストライキをやっても、女は男性の半分か3分の1しか昇給しませんでした。でも、そのころ、共産党の人たちが増えてきて、闘ってくれて、女性も男性と同じ比率で昇給するようになり、何とか生活ができるようになりました。その時の共産党の恩義を忘れることは出来ません。
もし日本共産党がなかったら、私は、現在ものすごくみじめな生活を送っていると思います。代わりのものが無い以上、日本共産党を支持するより仕方ありません。その代わり、党をよくするような努力は惜しまないつもりです。浩ニさんは解党主義ですか。日本共産党をとことん批判して、では、どうしたいのか、それがさっぱりわかりません。その先を教えていただかないと、私は困ります。
一言で言えば、日本共産党は野党として、「アンチ現在社会」という姿勢で存在意義を示せばいいと思います。もし政権まで狙いたいというなら、上記のとおり、社会主義~共産主義の青写真を示すべきだと思います。日本共産党はソ連・東欧を社会主義と認めていた、それはたしかにそのとおり、けれど日本共産党の展望する社会主義は違う、ソ連・東欧(そして中国、北朝鮮など)と違う社会主義を展望する、これがなぜ可能なのかはこれこれこういう理由だからだ。こういうのを日本共産党は明確に示すべきです。
今のところ日本共産党は、こんなこと全然言ってない。抽象的に「利潤第一主義でない社会が来るだろう」と言っているだけです。これでは選挙も何も戦えないんじゃありませんか? だから、たかが謀略ビラとやらに、日ごろ積み上げてきた活動を一発でオシャカにされて終わるってわけでしょう?
党に帰りたい嫌煙家さんも困っていらっしゃるのではないでしょうか。
嫌煙家さんが困るかどうかはご本人次第ですから私は関係ありません。外野が何を言ったとてそんなのはご本人とは関係ないことです。違いますか?
正直、率直にものが言えない、その上、一番の売りである社会主義~共産主義についてボヤっとした理想論しか提示できない、そういう日本共産党にそれ以上の魅力があるというなら、嫌煙家さんは党に帰るでしょう。それだけのことです。