僕もあなたがおっしゃるように、「消費税を3%に引き下げるというのはおかしいと思います」という意見に同感します。ただ、あなたは5%のままでよいという理由からでしょうが、僕は消費税を全廃すべきだという理由からです。
あなたは減税を行なうことにより、財源が減り、それを賄うために特例国債を発行せざるを得なくなり、国民の負担が返って増えるとおっしゃいますが、僕はそうは思いません。
というのも、財政支出(G)を減らせばいいだけだからです。
今日、日本が不景気なのは国民がお金を持っていないからではありません。むしろ、貯蓄額はきわめて高いと思います。結局、そのお金が市場に出回っていないことに今日の不景気の原因があると思われます。
Gを増やしてその乗数効果により国民所得を増大させようというケインズ的な発想はもう今日の資本主義社会では通用しません。Gをどれだけ投下しても社会全体に行き渡らず、一部の土建屋の懐に入るだけだからです。それよりむしろ、個人消費と民間投資を増大させることを考えなければならないのではないでしょうか(実際ここ最近のアメリカの好景気は個人消費の伸びに支えれらています。もっとも、最近は減速傾向にありますが)。そのためには、消費税を廃止し、消費に伴う痛みを和らげるしかないと思います。
あなたはたかが5%減らしただけで、それほど消費が伸びるのかと思われるかもしれません。しかし、されど5%です。あなたはまだ若いので知らないかもしれませんが、消費税率が5%に引き上げられた97年までは景気は上向きだったのです。95年、96年の実質GDP成長率は+3.0%、+4,4%(2000年統計改正前の数値)だったのに、何をトチ狂ったか当時の橋本内閣が税率引き上げを行ったために、回復基調だった景気が再び冷え込んでしまったのです。5%を馬鹿にしてはいけません。
僕は、政府がもし本気で景気回復を最優先する財政政策を立てるなら、消費税を減税すべきだったと思ってます。所得税減税は逆進性などさまざまな問題が残ったでしょうし、だいいち360兆も国債発行残高を積み上げるよりかはよっぽどわかりやすく、簡単な政策だったと思います。景気が回復すれば、税収が増えて、結局は国庫が潤うわけですし。
政府にせよ、野党(共産党を含め)にせよ、中途半端に財政再建と景気対策を両立させようとしたことが失敗の原因だったと僕は考えています。