党員用討論欄2001年6月15日付、革命 命さんの『浩二さんへ』に関してです。
あなたの周囲に、精神病・精神障害者・精神科のある人など、いませんか。
ごくごく身近に、複数の方々がおります。
中央委員会として精神障害者への態度をいっぺんさせたら、ご満足でしょうか。見解が、そんなに皮相ですか。
「精神障害者への態度をいっぺんさせる」とは、どういう意味でしょうか? おっしゃる意味が全然わかりません。
日本共産党の見解は、皮相きわまりないものです。
日本共産党の見解が皮相きわまりないために何が起きているのか? 日本共産党の実践を見てみましょう。日本共産党が党内異論者に対して、「頭、おかしくなったんじゃないか?」「おまえ、分裂病じゃないか?」といって冷笑を浴びせることは、もはや天下衆知の事実です。日本共産党が精神病院を迷惑施設と言い放ったことも記憶に新しいところです。
精神障害領域で、このような実践をしている日本共産党が、いくら「精神障害者は周りのきびしい社会的環境の中で苦しんでいる人たちだ」と同情的なことを言っても、通らないのです。日本共産党のあまりに皮相な見解のもと、こういう実践がなされているんです。日本共産党は、その実践において、知的障害者に対し非人道的な仕打ちをしているという話させ聞こえてきます。
日本共産党の見解が皮相ではないというなら、ではどうしてこのような実践が起きているのか、説明していただけますか?
日本共産党が、深いジレンマに陥っているのは、精神障害者が、どんなきっかけで何をしてしまうか予想できない医学的な問題もあるし、かといって被害者の皆さんには、深い同情心を持ちつつ、両論併記的なために、あなたの目には、そう見えるのではないでしょうか。
恐れ入りましたね。過去の自民党政府が出した保安処分案を凌ぐほどの偏見にもとづいてあなたはものを考えていることが、この一文から明らかです。
「精神障害者が、どんなきっかけで何をしてしまうか予想できない医学的な問題」。これ、どうしてここに書かれたんですか? なぜ、精神障害者が、どんなきっかけで何をしてしまうか、予想しなければならないんですか? こんなこと、健常者に対してだって無理な話です。これが精神障害者において予想できないから医学的な問題だと、あなたはおっしゃるわけだ。これ以上の偏見はないですね。日本共産党員は、「精神障害者が、どんなきっかけで何をしてしまうか予想できて、初めて、医学的な問題が解決されたと考える」、つまり、「精神障害者は、何をやるかわからない、不気味な存在である」と、日本共産党員は考えている。あなたの一文は、そういうことを言っています。
これ以上の偏見がありますか? 図らずもあなたは、こういう偏見が、日本共産党員としてのあなたの中に、それと気づくことすらない形で存在していることを暴露してしまいました。あなたの投稿、もう消えませんよ。私はいずれ、あなたという日本共産党員が、精神障害者に対してこういうふうに考えていたということを、インターネット上に引用します。
科学的な根拠が、薄い場合に断定的に結論付けて迷惑をこうむるのは、社会復帰してまじめに暮らしている精神障害者が一番でしょう。事実、根も葉もないことに対して、患者団体などに脅迫や嫌がらせが続いているとの報道でも明らかであり、開放処遇の中で、がんばっている精神障害者にとって百害あって一理なしです。
いかにも「私は精神障害者に同情している」ふうを装って書いておられますが、ここにも欺瞞が満ちていることを、あなた自身、気づいていないとみえる。
「科学的な根拠が、薄い場合に断定的に結論付けて迷惑をこうむる」とは、いったい、何を指しているのですか? 宅間守のことですか? それとも「一般的な印象」なのですか?
犯罪を犯した精神障害者に対してなされる処置は何でしょうか? たいていの場合、たった数時間で結論を出すという、きわめて安易な簡易精神
鑑定です。こんなもので心神喪失やら心神耗弱やら認定されて起訴もされない、無罪放免である。こういう、「科学的な根拠が、薄い場合に断定的
に結論付け」ている現状が一番問題なのではありませんか? このような現状をよしと考えているエセ人権派弁護士。これが一番問題なのではあり
ませんか?
開放処遇の中でがんばっている精神障害者が、宅間守のような犯罪者によって迷惑を被らないためには、犯罪を犯した精神障害者をきちんと処罰
することです。犯罪を犯した精神障害者をきちんと処罰しないために、「おまえらも、どうせ、宅間守と同じだろう」と見られる。これが、「開放処遇の中で、がんばっている精神障害者にとって百害あって一理なし」の状況を招いているのです。
犯罪を犯した精神障害者を、これまでどおり放置することが、開放処遇の中で、がんばっている精神障害者にとって利益になる、とあなたが考えて
いるのであれば、どうぞそれを、きちんと説明してください。
あなたは、こうしたことを意見として中央委員会に提出するなり、声を出していますか。
党中央にメールで意見を出したことは何回もあります。ただし、本件ではやっておりません。常任幹部会が刑法などの見直しを決定したそうなので、
その中身がいつ出るか注目しているところです。因みに、2001年6月14日付の赤旗が、保安処分に半分ほど賛成していると思われる精神科医、中澤正夫氏の意見を掲載したことは、あなたはご存知ですよね?
精神障害者関係の団体複数にはメールを出しました。上記に沿った内容です。「精神障害者関係の方々こそ、いわれなき偏見から身を守るために、犯罪を犯した精神障害者を厳罰に処せという声を上げよ」と、そういう内容のメールを出しました。
何か事件を起こしたときに、本人の民法上の意思能力を精神鑑定という形で、行なうことにまで疑問ですか。
疑問です。実際の運用状況も疑問なら、なぜ精神鑑定を行なうのかという、その理由も疑問です。
現状での精神鑑定は、単に、「心神喪失で無罪放免」を勝ち取るだけの手続きに堕っしています。宅間守の措置入院ひとつとっても、その杜撰な運用状況がわかります。措置入院先に事件のことが何も知らされない。精神鑑定も簡易精神鑑定で、たった数時間で結論づけられたものである。これだけとっても、精神鑑定を行う意味がまったくありません。こんなものは単に、加害者の刑罰を軽くするための方便として使われているにすぎません。
あなたに問います。なぜ「民法上の意思能力を精神鑑定」することが必要だと思われますか? 精神鑑定すれば、犯罪を犯した「その時点」での責任能力がわかるのですか? 「イエス、ノー」でお答えください。説得力ある説明を期待しています。
社会が病んでいると人の心も病む場合が多いことも、お考えいただかないと、被害者もそうですが、容疑者の家族、親族もいたたまりないでしょう。
犯罪を犯した精神障害者を、そうでない一般の精神障害者と区別せよ、という問題は、「社会が病んでいると人の心も病む場合が多い」などという、漠然たる「お涙ちょうだい路線」では、何も解決しないとだけ、言っておきましょう。