都議選直後の7月13日、石原都知事のお声掛かりの「都立病院改革会議」が、現在16ある都立病院を、小児系専門3病院を統合して8に、1(豊島+老人医療センター)を民営化、3を公社に、1(母子保健院)を廃止という、とんでもない答申を発表しました。詳細は、東京都衛生局のHPをご覧下さい。
私には、都議選の結果のつけが早くも、の感です。「東京ER構想」、「東京発医療改革」等の石原氏のスローガンの正体みたりとも思いました。
同時に、昨年から石原氏は「都立病院は民営化へ」等一般紙でも発言していたにもかかわらず、都議選でこの問題をまともに取り上げた政党が一つもありませんでした。私自身は居住地選出の共産党都議に、都立病院切り捨ての石原路線をE-mailで警告したり、都立府中病院での労働基準法違反の勤務実態で労働基準監督署から指導(一般紙で報道)、医師不足等の問題(都立広尾病院事件の1背景)あり、都立病院問題をもっと取り組んでほしいと伝えましたが、残念ながらみのりませんでした。
共産党は石原氏への是々非々論という受動的対応を早くから打ち出し、高齢者福祉を守ることを中心に訴え、直営部門の人員削減(サービス低下)や臨海副都心開発継続・ITバブル政策・羽田空港国際化・道路づくり等の巨大開発構想へはまともに反論を出せませんでした。他党新都議もほとんど石原「改革」与党の立場です。
かつて美濃部都政末期には「福祉バラマキで赤字になった」と数百億円の赤字をなくすことをめざして、保守の鈴木俊一氏が当選しました。彼は公共料金値上げと福祉サービス低下で「財政再建」しましたが、臨海副都心開発を金丸信氏の庇護ですすめさらなる大赤字をつくり都知事から退場したのは、記憶に新しいところです。
石原氏の新自由主義的政策が刃をむき出しにするのは、都議選で有利な力関係をつくれた今後に本格化するのでは? そして、約2年後の都知事選では、石原氏の本音の政策の結果および、前半に第2党であったが有効な対応ができなかった共産党の責任がまた都民に問われるのでは、と思います。
「都立病院改革会議の答申」に関する都知事等への抗議先:東京都HP