「前衛」や「経済」を読み、あれっと思う。
今年の一月にガンのために、国立感染症研究所の実験差し止め裁判の判決言い渡しを直前になくなった芝田進午氏。氏は、原告団の団長を務めてもいた。「しんぶん赤旗」には弔辞が掲載されていたそうだし、お通夜にも共産党関係の弔電や花輪も並んでいた。
私が怪訝に思うのは、もし私の見落としであれば己の性急さをおわびするが、ほとんど他の共産党系の学者のような論文記事を見かけないことに対してである。少なくとも芝田氏は組織論には慎重で、恩師の出隆東大教授が共産党と離反しても、ともに闘った古在由重氏が原水協問題で党と離れても、自らが同調することはなかった。
にもかかわらず、芝田氏の学問を追悼する度量が共産党の人民ジャーナリズムの中に位置づいていないとしたら、私は今回の参院選で の投票行動を、近づく次の衆院選挙では再考せざるを得ない。
戦後の日本共産党と社会主義運動において、古在由重、芝田進午、嶋田豊、渡辺洋三、渡辺治、有田芳生、加藤哲郎、上田耕一郎、中野重治、 石堂清倫の10人を党籍の有るなしを問わずベスト10の実践的知識人と私は思って居る。そして芝田氏のご冥福を祈念してやまない。