『さざ波通信』21号の「参院選挙制度の改革の一試案」を読みました。実は、この試案で提起されている方式がここ数年私が考えていた方法と全く同じであることに驚いています。政党政治の現実と政治家の魅力の強化を考えれば、この方式は きわめて優れていると思いを新たにしました。
さらに、国民の政治参加を考えるならば、参院に限らず公職の選挙制度全体に広げて考えるべきではないでしょうか。編集部の問題提起に便乗して、私が考えていた選挙制度を述べてみたいと思います。
なお二院制か一院制かについては考えがまとまっておらず、以下は一院制を前提に考えています。
1.選挙権
16歳以上の日本国籍を有する者および日本領土に定住して一定期間以上経過した者。
少年犯罪に関連して若年者の社会的な責任が論議されるようになってきましたが、政治的な権利・責任もこの機会に是非俎上に乗せるべきであると思います。また日本に定住する外国人の政治的権利も同様です。
2.定数
直近の国勢調査における有権者人口のx%
議員定数に関しては、マスコミがこぞって「減らせ」の大合唱を続けています。しかし小選挙区制や選挙区間の不公平と同様、定数削減は「みんな平等に」国民の声が届きにくいものになります。一定の意見が集まれば一人の議員を送り込めるだけの定数大幅増こそ必要なのではないでしょうか。議員が多すぎて議論ができないのであれば、年数回の全員総会と名簿上位者による常設議会の二重制度はどうでしょう。
3.選挙区
都道府県を割らない規模でのブロックに分けたさざ波通信式非拘束名簿比例代表制。各ブロック間の格差は1:1.5未満。
全国一区では選挙区が広すぎるため、知名度が低くてマスコミ報道に差別されがちな小政党に不利。かといって国勢を託す人物が狭い選挙区から出されるのは、地方の利権ボスの温存になると思います。
4.選挙方法
二ヶ月以上の選挙期間をおき、戸別訪問・信書・ネットなどでの宣伝は自由。公営の公開討論会を数回開催し、半数以上参加しなかった場合失格。解散前の議会全会派による設問を「法定公約」として回答すること。当選後の所属会派を「法定公約会派」として届け出ること(次回選挙前まで変更できない)。名簿内の人物に「法定首相候補」を掲げること。
いずれも当選後に態度を豹変させる議員を拘束する制度です。
5.組閣
内閣は、選挙直後の議会によってのみ組閣される。
「大統領制」がたびたび待望されるのは、選挙に基づかない首相選出が行われるからであると考えます。組閣の条件を議会選挙直後に固定することにより4とも相まって世論と議会・首相が近くなるのではないでしょうか。
以上、試案というより空想に近いものですが、いかがでしょうか。