世代論を持ち出したくはないのですが、最近の若い人たちの論調を見ると、恐ろしく感じることがあります。YSさんの自衛隊擁護の投稿もそうです。私たち(日本共産党とこの党の周囲に結集する人びと)がなぜ自衛隊の存在に異議を申し立てるのかを、あらためて確認しておきます。
それは第1に、自衛隊が憲法違反の存在であるからです。日本国民は、最高法規たる憲法において、「いっさいの戦力はこれを保持しない」と決意しました。自衛隊は明らかに違憲・違法な存在であるというべきです。
第2に、自衛隊は日本を守るための戦力ではなく、安保条約のもとで、アメリカの世界戦略に組み込まれた従属的軍隊です。安保条約があるかぎり、自衛隊を「国民の生命・財産を守る」ための軍隊であるなどということはできません。むしろ反民族的存在と受け止めるべきです。
第3に、自衛隊は、戦前の大日本帝国軍隊の思想と伝統を受け継いだ侵略的・反民主主義的性格を色濃く持っています。またこの国の支配層はいまだかつて、戦前の国家と軍隊のありようを根本において反省したことがありません。
第4に、そもそも国家というものをあたかも自然的秩序のごとくとらえ、これと国民とを一体化させ、暴力によって、国家=国民という虚構を防衛しようなどという発想自体が、危険きわまりない思想といわざるを得ません。
とくに最近の若い人たちのなかには、とくに第4の論点が目立ちます。国家を相対化する視角の欠如、暴力による自己防衛の正当化――これらが、世界第2の経済大国へとのしあがりながらも、戦後最大の危機に喘いでいる今日の日本国家の焦りに照応した民衆心理であることは明らかです。YSさんには、すべてを疑ってかかる姿勢をとられることをおすすめします。