さざ波通信「トピックス」に抗議したい。
「6月29日、沖縄県北谷町美浜において20代の日本人女性が米兵にレイプされた。」
このように断定的に書くからには、「さざ波通信」はよほどの証拠でも持っているのだろうか。容疑者は性交は合意の上であったと主張しているのであり、軽々しく断定することは到底許されない。この件については、私は新聞報道以上のことは知らないので、コメントしないが、推定無罪の原則は当 然適用されなければならない。もし仮に無罪判決が下されれば、「さざ波通信」はどのように謝罪し責任を取るつもりなのだろうか?
「米軍の犯罪者は日米地位協定によって守られており、これが凶悪事件が誘発する要因となっている。」
これは根拠のない主張である。日米地位協定においては、日本側の裁判権は制限されていないのであり、起訴されるまでの間、米側が日本の捜査当局に身柄を引き渡す義務がないというだけである。この条項の是非はともかく、「米軍の犯罪者は日米地位協定によって守られて」いるというのは明らかな誇張である。
日本では、弁護士なしの長時間にわたる取り調べや悪名高い代用監獄、警官による暴行などが常に行なわれ、容疑者に対する人権侵害は世界的に有名となっている。米国では、日本に比べれば人権は保障されており、日本のような酷い取り調べはほとんどない。米軍の容疑者を弁護するつもりはないが、日米の捜査における人権の取扱いを考えれば、米軍が起訴前の容疑者を日本側(世界的に悪名高い代用監獄)に引き渡さないことは、むしろ自国民の人権を考えた当然の対応ではないだろうか。また、米軍側が、容疑者の取り調べに通訳の同席を求めたことも、至極当然であり、日本と違って人権を尊重する国ではどこでも認められている当然の権利である。
左翼のなすべきことは、推定無罪の原則を踏みにじったり、容疑者の人権を無視したりすることではなく、この機会をとらえて、代用監獄や警察における人権侵害を告発することや、すべての容疑者(日本国民であると否とを問わず)に対し国際基準に合った適切な扱いを要求することであろう。
「さざ波通信」はかつて日本共産党の民族主義を非難していたが、自らもまた民族主義に毒されていないか再考してみるべきではないか。
編集部コメントがあります。長くなりますので、投稿扱いで掲載予定です(編集部K・S)